16歳。ー10年越しの約束ー
時間は容赦なくあっという間に過ぎていく。
「そろそろ寝るか。」
そう言って、瞬さんは部屋の明かりを消した。
俺は瞬さんの家でソファーベッドを借りていた。
ベッドで瞬さんはもう眠っているみたいだ。きっと仕事で疲れているんだろう。
自分の気持ちに正直になる。
俺は仰向けになって、天井に手のひらをかざした。
…明日、俺は小雪に素直になれるだろうか。
本当の自分自身の気持ちを見つけ出すことが出来るだろうか。
俺は天井にかざした手のひらを拳にして握りしめると、力なく自分の胸の所に降ろした。
結局、俺の心は不安だらけで
この夜もあまり眠れないまま夜明けを向かえようとしていた。