16歳。ー10年越しの約束ー
この声は…
「小雪!てめー…」
俺は振り返りながらそういうと、固まってしまった。
栗色の長い髪の毛はくるくると巻かれ、ハーフアップされている。
白の厚いニットワンピースに可愛らしい茶色のブーツ。
そして、いつもよりただでさえ長い睫毛が長い気がする。
「遅れてごめん!今日も彩おねーちゃんの協力してもらって気合いれてきたら遅くなって!」
そう言って、小雪は無邪気に笑った。
「…化粧してんの?」
俺は小雪の顔をまじまじと見る。