16歳。ー10年越しの約束ー


「か、返してよぅ!」


私は一生懸命走るが、ケンイチ君はヒラヒラと逃げ回って追い付けない。


「返してってば!」

私は泣きそうになりながら叫んだ。


その時だった。


ケンイチ君の元に、ひとりの男の子が
ズカズカ歩いてってそのままスコップを奪い取った。


「な、何だよ!龍!」

ケンイチ君はそう叫んだ。
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