16歳。ー10年越しの約束ー
「壮ちゃんも格好良くなってるんだろうね。…ちっちゃい頃のあのくりくりなお目めが忘れられないよ!」
本当は、3人で会いたかったなぁ
そう言いながらぼんやりと私は思った。
昨日のラインでは、ちゃんと行くって
言ってくれたのになぁ
「壮太のヤツ、俺よりよっぽど格好いいよ。何か、アイドルみてーになってるぜ。」
そう言うと、龍ちゃんはケータイを取り出した。
「壮太に電話してやる!人の事色々話しやがって!」
笑いながら龍ちゃんはケータイをいじりだした。
「壮ちゃん、電話出れるの?話したい!」
メールやラインはしてるものの、私と壮ちゃんは電話でのやり取りはなかった。
『会うときの楽しみにしておこうよ。』
壮ちゃんのその提案で
私達のやり取りは文章のみでだった。