16歳。ー10年越しの約束ー
「…わかりました。すいません、急に電話して…はい、…はい。」
龍ちゃんの表情は固まったまま、電話でそんなやり取りを続けた。
「…龍ちゃん?」
電話を切り終わった龍ちゃんに私はおそるおそる尋ねた。
「…あ、いや…何でもない。」
龍ちゃんはケータイを見つめたままそう答える。
…嘘だ。何かあったんだ。
何であんな敬語?
電話の相手は壮ちゃんじゃないの?
「…龍ちゃん!壮ちゃん何かあったの!?答えてよ!」
私は思わず龍ちゃんに問いかける。