16歳。ー10年越しの約束ー
「…ごめん、受け取れないもんは受け取れない。じゃあな。」
その時の、すみれの表情は未だに覚えている。
泣いていた顔が怒りにみるみる満ちていった。
「何なのよ、アンタ!本当何様!?調子に乗るんじゃねーよ!」
そう叫ぶすみれに、まわりがウワサしていた『可愛い』のかけらは一つも見つけられなかった。
俺は女子という生き物が益々わからなくなり、
「あっそ」
とだけ言ってその場を去った。
大変なのはその翌日からだった。