もっと傷つけばいい
ソウは電話で誰かと話をしている。

一体何の話をしているの?

「――そう言うことだ」

ソウが言った。

何が?

「じゃ、上手にやってくれ。

じゃあな」

ソウが言い終えたのと同時に、電話を切った。

彼がスマートフォンをテーブルのうえに置いた瞬間、あたしはまた深い眠りへと落ちて行った。

上手にやってくれって、何を?

何の話をしていたの?

戸籍を欲しがっていたって、それをどうするの?

目が覚めたら、全部ソウに聞こうかな。
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