もっと傷つけばいい
あたしは首を横に振る。

「まだ答えて欲しいことがたくさんあるから返さない」

そう言ったあたしに、
「困ったな…」

ソウは息を吐いて、少し考えると言うように横を向いた。

それから、またあたしに視線を向けた。

「ベッドのうえの口約束で終わらせない?」

確認するように言った彼に、あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「僕が話をしたら、ナギも話をしてくれるかい?」

「…どうして?」

聞き返したあたしに、
「僕だけ話をしたら、不公平だろ?」

ソウは笑いながら言った。
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