もっと傷つけばいい
「大丈夫、君を追い出すなんて言うことはしない。

そもそも、君は家出したんだろ?」

「うん…」

あたしが首を縦に振ってうなずいた時、枕元に置いてあったソウのスマートフォンが震え出した。

「何だろ、こんな時間に」

ソウはスマートフォンに手を伸ばした。

それを耳に当てると、
「もしもし?

ああ、僕だ、どうした?」

そのとたん、ソウの顔が険しくなった。

「えっ?

それは、本当かい?」

ソウが驚いたと言うように聞き返した。

一体何があったのだろう?
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