もっと傷つけばいい
姉にラブレターを渡して欲しいと、あたしに頼む男もいた。

「何でいつも、お姉ちゃんばかり…」

姉と比べられたくないから、あたしは中高一貫の私立校に進学した。

ここでも、姉の存在があたしを苦しめた。

「お前の姉ちゃんを好きになったから」

つきあった男にいつもこう言われて、別れられた。

「お姉ちゃんなんか、さっさと死ねばいいのに…!」

どんなにあたしが頑張っても、向けられる視線や寄ってくる人はみんな姉のものになる。
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