もっと傷つけばいい
Epilogue
リビングのテーブルのうえに置いてあったのは、僕とナギの結婚式の時の写真と…彼女の手紙だった。

『さよなら』

手紙にはたったそれだけの言葉が書いてあった。

「――ナギ…」

僕がベッドのうえで目を覚ました時、彼女は隣にいなかった。

そして、彼女の荷物もなくなっていた。

どうして君はいなくなった?

どうして、さよならって書いたんだ?

「――ナギ…」

僕はいなくなった彼女の名前を呟いた。

いつの間にか、僕は君を愛してしまったらしい…。
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