もっと傷つけばいい
「この部屋の鍵だ、今日から君のものだ」

ソウが言った。

このカードが、あたしのものになるの…?

ソウは納得していないあたしの手にカードを握らせると、部屋の中に入れた。

パチリとスイッチを入れる音がしたのと同時に、電気がついた。

「――うわあっ…」

明るくなった部屋を見て、あたしは驚いた。

広い玄関だ。

靴箱は、まるでクローゼットのようだ。

ガチャッとドアを開けるけど、中身は入っていない。

「あがって」

ソウは革靴を脱いでいた。
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