もっと傷つけばいい
「――別荘…?」

聞き返したあたしに、
「他にもある、ここは君の家にして住めばいい」

ソウはそう言い終えると、床のうえにあたしのボストンバックを置いた。

「大丈夫だ、家賃は心配ない。

このマンションは僕の所有物だ」

「――えっ…?」

所有物?

その言葉に絶句をしているあたしに、
「月20万、君に生活費を渡そう。

今月はそれに30万足して50万」

「ちょっ、ちょっと!」

事態が勝手に続きそうになるのを、あたしは止めた。
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