もっと傷つけばいい
「――靴を買おうかな…」

あたしは腰をあげると、そばに置いてあったショルダーバックを持った。

そこにまだ余っている札束の入った茶封筒を入れると、部屋を後にした。


革靴3足、サンダル3足、スニーカー1足。

買ったばかりの靴をクローゼットのような靴箱に全部入れた。

茶封筒の中の残りは、30万ちょっと…ってところだ。

お金ってないと困るけど、たくさんあっても困るものなんだなあ。

そう思いながら、あたしは息を吐いた。
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