もっと傷つけばいい
8時を過ぎると暑さは変わらないけど、さすがに辺りは暗くなる。

それまで適当に時間を潰していたけど、この時間になるとさすがにお腹もすいたし、そのうえ喉も渇いてきた。

何となく目に入ったから、あたしは店の中に入った。

周りを確認した後、
「――立ち飲みバーか…」
と、あたしは呟いた。

それにしても、人が多い。

空いていたテーブルに歩み寄ると、あたしは一息ついた。

「ご注文は?」

店員があたしにメニューを見せてきた。

うっ、知らない…。

あたしは1番値段が安い飲み物を指差した。

店員はニッコリと笑うとメニューを持って、そのままあたしの前から去って行った。
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