もっと傷つけばいい
ドクン…

あたしの心臓が、鳴った。

あたしはソウに顔を近づける。

ドクン…

もう少しで、ソウとの顔の距離がゼロになる。

ドクン…

「――ッ!?」

突然のことに驚いて、あたしは目を見開いた。

「――んっ……んんっ!?」

ソウの方から唇を重ねてきた。

やっぱり、くれた。

あたしは目を閉じて、彼の唇を受け入れた。

どれくらい、時間が経ったんだろう?

長かった気もするし、短かった気もする。
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