もっと傷つけばいい
「――床のうえは嫌…」

呟くように言ったあたしに、ソウはあたしから離れた。

それから、ソウはフワリとあたしを抱えあげた。

えっ、どこ行くの?

ソウに抱えあげられてついたところは、寝室だった。

ああ、いよいよか。

この状況を作って、望んだのはあたしだ。

あたしから、ソウを求めたんだ。

覚悟はできてる。

抱かれる準備は、もう終わってる。

ダブルベッドのうえに、ソウはあたしの躰をそっと下ろした。
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