もっと傷つけばいい
抱えていたボストンバックを足の間に置いた。

1杯飲んだら今日泊まるところを探そう。

安いビジネスホテルか漫画喫茶くらいしか思いつかないけど。

ぼんやりとそんなことを考えていたら、
「君1人?」

誰かに声をかけられた。

視線を向けると、金髪の男だった。

チャラそう…と心の中で呟いた後、
「――そうですけど…」

あたしは答えた。

って言うか、見りゃわかんだろ。

テメーの目は飾りか。

心の中であたしが毒づいたことにに気づかないのか男は、
「この後何かあるー?」

そうあたしに声をかけたその瞬間、
「僕の連れに何か用かい?」

第3者の声が飛んできた。
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