もっと傷つけばいい
「何?」

「――ッ…」

聞き返してきた彼に、あたしは何も言うことができない。

こう言う場合は、一体何て言うんだろう?

「恥ずかしい?」

「――ッ…」

ニヤリと笑った彼に、言葉を返すことができない。

「もっと気持ちよくしてあげようか?」

「――えっ…?」

何?

それまで中を動かしていた指が、あたしから離れた。

同時にソウの顔があたしの目の前から消えたと思ったら、
「――んっ!?

やあっ…!」

さっきまで指が入っていたところに感じたのは、温かく濡れた感触だった。
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