もっと傷つけばいい
「あれは…だいぶ前に落ちぶれた雑誌記者と言うところかな」

ソウは呟くように言った。

「えっ?」

あたしは意味がわからなくて聞き返した。

「10年か20年前は、あいつも有名人の1人だったのさ。

けど何らかの理由で転落して、今じゃ有名人の汚いところを探して、週刊誌に金をせびっているって言うところかな」

ソウは呆れたと言うように息を吐いた。

「大丈夫だ、ナギ」

そんな風に声をかけられるほど、あたしはどんな顔でソウを見ていたのだろう。
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