【完】ダンデライオン
全てを知ることはエルノのためになると思っていた。
だけど、傷つくエルノを見たくないというおばあちゃんの気持ちを知ってしまって。
私は、どう動いたら良いのか…分からなくなってしまった。
でも、ちゃんと知らなければ。
何も出来ないままだ。
「……おばあちゃんが知ってること、私に教えてよ。」
「えぇ。私が分かることを全て。」
おばあちゃんは、そっと部屋のドアを閉めた。
「どこから話そうかなぁ…ふふ…」
おばあちゃんは、口調は笑っていたけど顔は全く笑っていなかった。
「うーんと……じゃあまず順序立てて…おばあちゃんの話からして良いかな?」
「……うん。」
丸テーブルを挟んで、お互いに真向かいに座る。
おばあちゃんは、ポツポツと昔のことを話し始めた。