【完】ダンデライオン
「………。」
本当に、かける言葉が分からない。
こういう時、私は何て言えば良いの…?
「まぁ、でももう過ぎたこと。昔は毎日泣いていたけど、もう吹っ切れてるのよ。」
おばあちゃんはニコッと笑った。
そして、私に、ここまでで何か疑問はないかと聞いてきた。
疑問があったかと頭をひねっていたら、ふと思いついた疑問があった。
「今までほとんど雪の国に行ってないのに、国王が魔法をかけたこととか…どうやって知ったの?」
「あら!私にも知り合いくらいいますよーだ!」
私のふとした疑問に、ちょっとスネてしまったらしい。
おばあちゃんは唇を尖らせてる。
「はいはい…すみませんでした。」
「まぁ良いんだけどね!…私に、連絡をくれた人がいて、そこで私は雪の国に行ったの。その時、森でマグノアに出会ったの。」
マグノアは初めて会った時から既にあの姿だったわー、と余計な情報もくれた。
…ちょっと、いや、結構どーでもいい。
「その時、久々にお城に行ったら小さな孫がいるわけじゃない?もービックリしたわ。」
おばあちゃんは、マグノアの名前を出してからはニコニコするようになった。
きっと、悲しいことや嫌だったこととかが少ない話題なんだろう。
でも、私にはここで疑問が浮かんだ。
「小さな…孫?エルノのこと?」
「えぇ。初めて会った時が5歳?6歳?……忘れちゃったけど。」
おばあちゃんはアッサリと言ったけど、私には意味が分からない。
そして、私の疑問の意味はおばあちゃんには伝わっていないみたいだった。
「えっ…?何で年をとってるの?……エルノは19歳でしょ…!?」