【完】ダンデライオン







魔法がかかった50年の間に年をとって、見た目が大人になったりご老人になったりする人もいるってこと??




そこまで話すと、おばあちゃんはティーカップの紅茶を飲み干した。


ティーカップには紅茶がなくなったようで、ティーポットから紅茶を注ごうとするけど、ティーポットにも紅茶は尽きてしまったらしい。


傾けたティーポットから、紅茶は出なかった。




「ん〜………」




おばあちゃんは紅茶がなくなったことに少し機嫌を損ねたのか、小さくうなっていた。



…ちなみに、ティーポットからなくなるくらいにガンガン紅茶を飲んでいたのはおばあちゃんであって、私は悪くない。






そしておばあちゃんは、あっ…と思い出したように左手をあげた。
そして、人差し指でティーポットを指差した。



指をクイ、と曲げるだけの動作だけで、ティーポットに見た目の変化はなかった。





でも、おばあちゃんが次にティーポットを持ち上げて、ティーカップに向けて傾けた時には湯気の立った紅茶が注がれていた。




どうやら、魔法陣を書いてあるこの部屋なら魔法が使えるから、キッチンに行く手間を省いて魔法を使ったらしい。






…やっぱり、魔法ってすごい。







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