【完】ダンデライオン




私が魔法がかかる様子をずっと見ていた間に、おばあちゃんは紅茶をすすり、満足したらしい。




「あ、ごめんね。続き、話すね。」



「う、うん。」




「雪の国には魔法がかかっているけど、年をとらなくなった人と、今も年をとっていっている人もいるの。」




人によって、50年前からそのままの年齢な人がいて。

だんだんと年をとって、途中で止まってしまう人もいるってことなんだね…。





…うーん、難しい。

それって、見て分かるような違いとかあるのかな…?



早速おばあちゃんに聞いてみる。




「あの……年をとっている最中の人と、もう止まってしまってる人って、何かで見分けたり出来るの?」




「んー…見た目じゃあ分からないと思う。あ、でも、雪の国の人たちは自分が何歳の姿で年をとらなくなるのか知っているのよ。」




「え…?ええぇぇぇえぇ!?何で!?」




私の驚きっぷりが面白かったみたいで、おばあちゃんは笑った。




「そういう占いが出来る老婆がいるのよ!」




「ろ…ろうば…?」




今どき「老婆」って……久しぶりにそんな言葉聞いたよ。
「おばあちゃん」とかじゃなくて、老婆と呼ぶって……。



その人とおばあちゃんは、仲良くないんだろうか……?



おばあちゃんの人間関係に不安は覚えたものの、おばあちゃんは「次にまた雪の国へ行く時には、その人に会ってみたら?」と勧めてきた。





「すごく占いが当たるの。それに…優しい人よ」




「…そうなんだ、」




……老婆と呼んでけなしているんだか、褒めているんだか、仲が良いのかサッパリ分からない。




とりあえず、今度雪の国に行った時には会ってみようかな。







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