【完】ダンデライオン
おばあちゃんの説明はここまでだったみたい。
「何か質問がある?」と、また聞いてくれた。
ここで、聞きにくいけど…とあることを聞いてみる。
「えっと…、何故エルノのお父さんが亡くなったのか…知ってる…?」
こんなこと、聞くのは抵抗もあったけど、エルノもマグノアも何も教えてくれなかったし…。
おばあちゃんは、また一口、紅茶を飲んだ。
さっきまで湯気の出ていた紅茶は、もう冷めかけてきたみたいだった。
まだ最初の一杯を飲み干してもいない、私のティーカップに注がれた紅茶はすっかり冷めてしまっている。
「それが…私にも分からないの。エルノのお母さんの、女王が先に亡くなって……そのすぐ後だったというのは聞いたんだけど…。」
「エルノのお母さん…?」
そういえば……エルノのお父さんである国王の話は、マグノアからも聞いたけど、お母さんである女王の話は初めて聞くかも。
「女王は、あまり体が丈夫ではなくて…病気で亡くなったと聞いているわ。」
「うん……。」
これもまた…重い話だなぁ…。
ちょっと後悔してきた……
「女王が亡くなった後、国王は魔法をかけたみたいなの。」
「亡くなった後、魔法を…?」
「理由は、分からないんだけどね。」
重いし、難しい話だな…。