【完】ダンデライオン







「魔法をかけた後、国王も後を追うように亡くなった…っていうことらしいんだけど…。」




「けど…?」




何だか歯切れが悪い。
何かまだ、続きがあるのかな?





「永遠の命がある雪の国で…本当は命は永遠ではない。死は存在する……それはマグノアから聞いた?」




「あ、……う、うん。でも、死が存在するとしか聞いてないけど。」




おばあちゃんにそう聞かれて思い出す。
そういえば、雪の国に着く前に、マグノアに教えてもらった。



あの時は、矛盾しているとモヤッとしたけど…どういうことなんだろう?





「じゃあ…詳しくは聞いてないのね。雪の国では、命を落とすことが一つだけ存在する。」




死、という言葉にだんだん怖くなる。


ティーカップに手を伸ばし、紅茶を一口飲んだけど、冷えていて緊張みたいな強張りがほぐれない…





「それは、右胸を貫くこと。」




「!!」





「国王は、右胸を貫かれて…亡くなっていたの。」







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