【完】ダンデライオン
今、何て言った?
「えっ…!?今、何て…」
「たんぽぽちゃんが、手がかりだと思ってるの。」
「は………はぁぁぁあああ!?」
私は、驚きと衝撃のあまりにイスから転がり落ちそうになった。
おばあちゃんは、至って普通な顔をしている。…からかっているわけでは、ないみたい。
でも、それにしても意味が分からない……
「な、何で私が…?異世界の人間なのに……」
私が、雪の国へ春をもたらすことが出来るかもしれないって言いたいの…?
私の疑問への、おばあちゃんの回答はずいぶんとシンプルだった。
「んー……遺伝子的な話かな。」
「い……遺伝子…?」
ますます意味が分からないっ!!
混乱している私をチラッと見ながらも、おばあちゃんはティーカップたちを片付け始めた。
カップやソーサーを重ねたりと、動かすたびにカチャ…と陶器が繊細な音をたてる。
おばあちゃんは、私の方をジッと見た。私は頭を抱えていたけど、視線を感じて、おばあちゃんに視線を返す。
すると、おばあちゃんはニコッと笑った。
「そんなに気にしないで。もしかしたら、って話だから。」
「いや、気になるよ……」
気にしなくて良いんなら、言わないでいてくれたら良かったのにー。
さすがに文句は言えないけど、そう思ってしまう。