【完】ダンデライオン
そして、だんだんとこちらへと近づいてくる足音が複数に、どんどん大きくなってきた。
……ど、どうしよう。
マグノアは呼んでみたものの、来てくれないし……
どうしよう……!?
『……全く。少しは自分の力でどうにかしようとか、思わないのか?』
…背後から聞こえた声に私はビクッと肩をふるわせた。
振り返るとそこには……
「マグノア!」
『まだ半日も経ってないんだが?もう雪の国からお帰りなのか?』
「私はマグノアに話があって…!…あっ!そうだ!!これから沢山の狼がこの門のところに食糧を取りにくるんでしょ!?」
『あぁ。しかし、私と一緒にいれば大丈夫だろう。』
あぁ、そっか。
マグノアは長だもんね。
マグノアは、私をじっと見てきた。
「……?な、なに…?」
マグノアは、ため息をついた。
何でマグノアからこんな反応をされることばかりなんだろう…。
『お前、我々「オオカミ」のことを「狼」と言っているが、その言葉ではこの世界では伝わらない者が多いと思うぞ?』
「えっ?何か違うの!?」
『お前の世界の「狼」と、この世界の「オオカミ」は…ちょっと違うからな。』
色々説明してもらったんだけど、私の理解力が貧相なようでいまいち分からなかった。
なんか、生態系とか、意味合い?みたいなものが私のいた世界とはちょっと違うらしく…。
高い教養のある人にしか伝わらないかもしれないと言われた……。
「教養」ってナニ…??
と、とにかく!
「オオカミ」と呼んだ方が良いらしい。
そういえば、雪の国の人たちは皆「オオカミ」って呼んでた気がする。
気をつけよう…。