【完】ダンデライオン
そこまで考えて、私はマグノアに聞いてみたかったことがあったのを思い出した。
「あっ、そういえば私、マグノアに聞きたいことがあったの。」
マグノアは、特に動じることなく、「そうか…」とだけ答えた。
『悪いが少し待っていてくれ。私には、ここで仲間たちの食事を見守る必要がある。』
「そ、そうなの…?」
私が目立つところにいたら危ないと思ったんだろう。
塀の側に立っていたけど、マグノアの連れられて。
森の中の、大きな針葉樹の幹まで二人で少し移動した。
そこからでも、門の前に置かれた沢山の食糧が十分見える。
オオカミみたいな野生的な動物は、ちゃんと食事をしているか…なんていう確認は必要なさそうなのに…。
マグノアは面倒見が良いんだな…なんて考えていたら。
オオカミが、群れをなして沢山の食糧の前に走ってきた。
オオカミは数十匹いて、皆で分け合いつつ食糧を食べていた。
山のように置かれていた食糧は、あっという間になくなり。
オオカミはまた群れを作り、去って行った。
なんというか…がっつくって、こういう光景なんだろうな実感した。
「……マグノアが食事を見守らなくたって、あのオオカミたちなら大丈夫なんじゃないの?」
『……お前には、さっきああ言ったが…本当は食事を見守っているのではない。』
「え…?じゃあ何を…?」