【完】ダンデライオン




『王子には…沢山言ってないことがある。それだけだ。』




「な、なんで…!?」




お互いに、無言になる。
何故なのか…全く検討がつかない。




『それが、あの人なりの愛情だと言えば…伝わるか?』



「え……?」



愛情?
あの人って、おばあちゃんのことだよね…。



「言わないことが、愛情?」



『…子どもには分からん。』



プイッとそっぽを向いて、マグノアは歩き出す。
…どこに行くんだろう?




「あっ!ちょ…待ってよー!」




マグノアは、ちっともこっちを見てくれないけど。
話してくれるつもりではいるみたい。




『全てを知っていることが、幸福だとは限らない。…だけど、今の現状を知っておかないとお前が困るだろう?』




「う、うん。まぁ、そうだね…」




多分、私がエルノと、おばあちゃんやマグノアの間に入ることになってしまうんだろうから。



エルノがどこまで知っているのか、おばあちゃん達は何を知っているのかは知らないと……
困るよね。




マグノアから、少し唸り声が聞こえる。
何から話そうか迷っているのかもしれない。





『結論から言おう。私も、あの人も、あの魔法の解き方だけが分からない。』





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