【完】ダンデライオン




「魔法の解き方だけ…?」




『それ以外は、全て知っている。』



「それって……」




今、マグノアはすごくサラッと言ったけど。
それって重要なことじゃん!




誰が、どんな魔法をかけたのか知っているってことだし!


皆で協力すれば、何らかの方法でどーにかできる可能性だってあるかもだし!?




そうやって息巻く私に対して、マグノアはそっけなかった。




『……それに対して、王子は全く知らない。魔法でこの国の時間は止まっていること、自分は王になれないことしか知らない。』




さっき、エルノに色んなことを言っていないのは、おばあちゃんの愛情だと言っていた。


何かエルノが困ることがあるから、っていう気持ちからなのかな?




「ねぇ、マグノア。それって…エルノが知ってはマズイことだから教えてないの?」




『いや……うーん、そういうことでは……』




冷静で、淡々と落ち着いた話し方をするマグノアが、すごく歯切れが悪い。


困っているのが、伝わる。




またしばらくの間、マグノアは唸っていた。
でも、途中でふぅ…と息をついた。


……話してくれるのかな??





『……何から話したら良いのか、分からなくなった。…もう面倒だ。聞きたいことを質問しろ。』




そして……マグノアはとても投げやりになった。
仕事してよ。




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