【完】ダンデライオン
そして、魔法をかけたその直後、国王は亡くなってしまう。
国王に健康不安はなく、何者かに殺されたとしか国民には思えなかった。
その時、国王の殺害の疑惑が向けられたのは…一緒に城に住んでいたマグノアだった。
そして、マグノアたちオオカミは激怒した国民に国を追い出され…森に住むことになった。
そして城に住んでいたマグノアは、森でのオオカミたちのリーダーになった……
ということらしいんだけど。
そこまで教えてもらったものの、なーんか腑に落ちない。
「ちょっ……ちょっと待って?国王を殺した疑惑に、何でマグノアが浮上するの!?」
『さっき言い忘れたが……女王は、国王よりも先に亡くなったんだ。』
…そうだったんだ。
『そして、まさか王子が親を殺すとは思えない。……そうなると?』
「マグノアが国王を殺したって…?」
『まぁ、生まれて3年も立てばオオカミは立派に育つからな。』
自分に不利な情報をサラッと言ってしまうマグノア。
…だから疑われてしまったんだろうな。
『私を疑うのが、一番都合が良かったんだろうな。…オオカミとニンゲンは会話できないし。』
「会話できない?今、私と会話してるじゃん」
『…本当は話せるんだが、私が特殊なだけだからな。他のオオカミは話せないから、それに合わせていたんだ。』
私とは直接話すのは、多分、この国のニンゲンではないからだろうな。