【完】ダンデライオン







マグノアをじっと見つめたら、すごく嫌そうな声色の返事が返ってきた。



たぶん、言いたいことは伝わってる。




『……何だ?私に、またドアのノックをやれと言うのか?』




「……あー、うん…まぁ。お願いします。」




『……信じられない。』




やっぱり、私の目線だけで言いたいことはマグノアに伝わってた。
…マグノアは気乗りしないみたいだけど。



「マグノア…お願い!」




『…本当にお前はしょうがないな。』




ちょっと困った顔をして見せたら、マグノアは渋々了承してくれた。
やったー☆


マグノアってば優しい!



困った顔をしたばかりで、あからさまに喜ぶことができないから、心の中でニヤニヤしていた。



そんな私を横目に、マグノアはドアをノックする動きを取ろうとしていた。




『心配しなくても、あの人が気付くまでは何回でもノックしてやる。……私に対して、演技しなくていい。』




「なっ……!?」



うまく出来ていたと思っていた演技がバレていたと分かって、一気に恥ずかしくなる。
カァッと頬が紅潮して、熱を持ったのが分かる。




そして、二本足でマグノアが立ち上がった。
その瞬間………







< 93 / 286 >

この作品をシェア

pagetop