【完】ダンデライオン
マグノアをじっと見つめたら、すごく嫌そうな声色の返事が返ってきた。
たぶん、言いたいことは伝わってる。
『……何だ?私に、またドアのノックをやれと言うのか?』
「……あー、うん…まぁ。お願いします。」
『……信じられない。』
やっぱり、私の目線だけで言いたいことはマグノアに伝わってた。
…マグノアは気乗りしないみたいだけど。
「マグノア…お願い!」
『…本当にお前はしょうがないな。』
ちょっと困った顔をして見せたら、マグノアは渋々了承してくれた。
やったー☆
マグノアってば優しい!
困った顔をしたばかりで、あからさまに喜ぶことができないから、心の中でニヤニヤしていた。
そんな私を横目に、マグノアはドアをノックする動きを取ろうとしていた。
『心配しなくても、あの人が気付くまでは何回でもノックしてやる。……私に対して、演技しなくていい。』
「なっ……!?」
うまく出来ていたと思っていた演技がバレていたと分かって、一気に恥ずかしくなる。
カァッと頬が紅潮して、熱を持ったのが分かる。
そして、二本足でマグノアが立ち上がった。
その瞬間………