【完】ダンデライオン
「ふふっ!それにしても、久々にあなたと会えたのも嬉しいわ!」
そう言って笑うおばあちゃんはとてもキレイで、本当に嬉しそう。
『…そうか。』
マグノアも、そっけない反応をしつつも何だか嬉しそう。
マグノアは、私の方をチラリと見てきた。
その視線に私が気付いた時には、マグノアはおばあちゃんに話しかけていた。
『それにしても……何故突然、こいつを送り込んできたんだ?こういうことは、先に言っておいてもらわないと私も困るんだが……』
すごく大変だった…!とマグノアはボヤいている。
多分、行きに森で出会ったオオカミが私を食べようとしたり。
食糧の時間に、私がオオカミとニアミスしそうになったりしたことを、マグノアは言いたいんだろう。
まぁ、マグノアは長だし困るよね。
「いやー、あなたがいるから大丈夫かなって。でも、言わなかったのはごめんね!」
おばあちゃんは「ごめんね!」って謝ってるけど、全然申し訳なさそうじゃない。
マグノアは、呆れたようにため息をついている。
『ハァ……これだから困る。……それで?こいつを送り込んできた理由は?』
マグノアはひたすらおばあちゃんに対して呆れている。
そして……もはや私のことを「こいつ」呼ばわりしている。
おばあちゃんは、マグノアの質問に少し考えるようにして答えた。
「そろそろ頃合いかなって思ってね。」
その言葉を聞いて、マグノアは弾かれたようにおばあちゃんを見た。