夢への道は恋の花道?
ミチルの目いっぱいひきつった顔を見て、ジュイムはゲラゲラと大声をあげて笑った。
「あ~~~面白いね、君。
オジュロールには王族は来ないとでも思ってた?
嫁入り前の女性たちの部屋に入るのは厳禁だけれど、執事たちも出入りしているロビーなどは僕たちも自由なんだよ。
僕は、執事がエスコートしていないお妃候補が無事に会場に着くように最後の案内をしにきたんだけど・・・君以外のお妃候補たちはもう会場入りしているみたいだね。」
「ええぇーーーー!私が最後なんですか?
あ・・・柏木さんが迎えにきてくれるとばかり思っていたのでまだなんだと・・・。うそぉ・・・私捨て置かれちゃってたなんて。」
「ああ、柏木響は使用人の総指揮をとっているから、手が離せないよ。
僕がここにきてちょうどよかったってことだね。
王家の放蕩息子のエスコートで申し訳ないけれど、ご案内いたしますので、姫お手をどうぞ。」
「あ・・・すみません。よろしくお願いします。」
「じゃ、これかぶって。」
「へっ??これって・・・」
ジェイムはミチルにヘルメットを渡した。
「俺のマシンで風になって会場入りしようぜ~!なんてね。」
「うふふ、ジェイム様もかなり個性的でいらっしゃいますね。」
「大型バイクなんて嫌かな?」
「いいえ、ドレスを着て風になるなんて素敵よ。」
「おーっし、そうこなくっちゃね。いくよ!」
ジェイムは王宮までの道のりをバイクでかっとばした。
「イヤッホー!清々しい風だぁ。
ミチル、朝の海で休憩していかないか?」
「で、でも王宮へ早く行かないとまずいんじゃ・・・。
だけど・・・きれい~~~!テラスティンの海岸線がこんなにきれいだなんてびっくりよ。」
「そうだろ。この眺めをたくさんの人に見てほしくなるよ。」
ジェイムがミチルを連れて王宮のお妃候補たちと関係者の待つ大広間にたどりつくと、全体がミチルを軽蔑するかの目で見つめていた。
「な、何よ。この雰囲気は?」
「何時だと思ってる?」
イディアムが舞台上から怒鳴る声が響き渡った。
そしてすぐに年配の女性がジェイムに近づくとジェイムの頬を平手打ちでひっぱたいた。
「す、すみません。わ、私がテラスティンの海に見とれてしまったので、遅れてしまいました。
ジェイム様はこの国の海の美しさを説明してくださって、ほんとに私の我がままがすべていけなかったんです。
だから・・・罰を受けるのは私が・・・。」
「あなたもお披露目とご挨拶の連絡は昨日のうちに受けていたのですから、罰はもちろん受けてもらいますが、まずはここにおられる方々にご挨拶をして。
ジェイムはそのままこの方を舞台までエスコートしてから私についてきなさい。いいですね。」
「はい、母上。」
(は、母上って・・・現国王のお妃さまなのね。あっちゃぁーーー!
初日からやっちまったよぉ・・・。
どうしよう。罰ってどんなことするんだろう・・・。)
ジェイムに舞台の上まではたどりついたものの、何をどう話せばいいのか他のお妃候補の挨拶を見ていなかったので、思わず体が硬直し、声も出なくなった。
(どうしよう・・・。ジェイム様も何も言ってくれないし、名前だけ言ってもどるわけにもいかないよね。どうしたらいいの・・・?)
「あ~~~面白いね、君。
オジュロールには王族は来ないとでも思ってた?
嫁入り前の女性たちの部屋に入るのは厳禁だけれど、執事たちも出入りしているロビーなどは僕たちも自由なんだよ。
僕は、執事がエスコートしていないお妃候補が無事に会場に着くように最後の案内をしにきたんだけど・・・君以外のお妃候補たちはもう会場入りしているみたいだね。」
「ええぇーーーー!私が最後なんですか?
あ・・・柏木さんが迎えにきてくれるとばかり思っていたのでまだなんだと・・・。うそぉ・・・私捨て置かれちゃってたなんて。」
「ああ、柏木響は使用人の総指揮をとっているから、手が離せないよ。
僕がここにきてちょうどよかったってことだね。
王家の放蕩息子のエスコートで申し訳ないけれど、ご案内いたしますので、姫お手をどうぞ。」
「あ・・・すみません。よろしくお願いします。」
「じゃ、これかぶって。」
「へっ??これって・・・」
ジェイムはミチルにヘルメットを渡した。
「俺のマシンで風になって会場入りしようぜ~!なんてね。」
「うふふ、ジェイム様もかなり個性的でいらっしゃいますね。」
「大型バイクなんて嫌かな?」
「いいえ、ドレスを着て風になるなんて素敵よ。」
「おーっし、そうこなくっちゃね。いくよ!」
ジェイムは王宮までの道のりをバイクでかっとばした。
「イヤッホー!清々しい風だぁ。
ミチル、朝の海で休憩していかないか?」
「で、でも王宮へ早く行かないとまずいんじゃ・・・。
だけど・・・きれい~~~!テラスティンの海岸線がこんなにきれいだなんてびっくりよ。」
「そうだろ。この眺めをたくさんの人に見てほしくなるよ。」
ジェイムがミチルを連れて王宮のお妃候補たちと関係者の待つ大広間にたどりつくと、全体がミチルを軽蔑するかの目で見つめていた。
「な、何よ。この雰囲気は?」
「何時だと思ってる?」
イディアムが舞台上から怒鳴る声が響き渡った。
そしてすぐに年配の女性がジェイムに近づくとジェイムの頬を平手打ちでひっぱたいた。
「す、すみません。わ、私がテラスティンの海に見とれてしまったので、遅れてしまいました。
ジェイム様はこの国の海の美しさを説明してくださって、ほんとに私の我がままがすべていけなかったんです。
だから・・・罰を受けるのは私が・・・。」
「あなたもお披露目とご挨拶の連絡は昨日のうちに受けていたのですから、罰はもちろん受けてもらいますが、まずはここにおられる方々にご挨拶をして。
ジェイムはそのままこの方を舞台までエスコートしてから私についてきなさい。いいですね。」
「はい、母上。」
(は、母上って・・・現国王のお妃さまなのね。あっちゃぁーーー!
初日からやっちまったよぉ・・・。
どうしよう。罰ってどんなことするんだろう・・・。)
ジェイムに舞台の上まではたどりついたものの、何をどう話せばいいのか他のお妃候補の挨拶を見ていなかったので、思わず体が硬直し、声も出なくなった。
(どうしよう・・・。ジェイム様も何も言ってくれないし、名前だけ言ってもどるわけにもいかないよね。どうしたらいいの・・・?)