夢への道は恋の花道?
イディアムはすぐに公務の打ち合わせでその場を退いた。
他のお妃候補たちは、それぞれにさっさと勉学や休憩のために会場を後にしていた。
「か、柏木さん・・・。ほんとにすみませんでした。
書類を出して契約してしまったのですから、私には何の権限もなかったのを忘れてしまっていました。
それと・・・あのメモ。投げてくださってありがとうございました。
頭の中が真っ白だったあの中で、本当に私という存在がなんとか生き残ることができました。」
「いえ、お役に立てて何よりです。
私の方こそ、先ほどは乱暴なことをして申し訳ありませんでした。
執事という自分の身分をわきまえない行動をしておはずかしい限りです。
あ・・・首が赤くなってしまいましたね。
私も2度とあなたにこのような傷を負わさないと誓いますから、もう怖がらないでください。
もう・・・泣かないでくださいませんか。」
謝罪をしてうなだれている柏木を見つめたミチルはささっと涙を手の甲でぬぐって笑顔で話す。
「もう大丈夫です。こんなおばかで泣き虫な私ですけど、よろしくご指導お願いしますね。」
「では、海に感動してくださったあなたがもっともっとこの国を好きになっていただける場所へご案内いたします。
そして帰り道には夕陽で燃え上がるような海をご覧いただきながらオジュロールへとお送りいたしましょう。」
「わぁ、いいんですか?そんな観光させていただいても・・・?」
「地理に詳しくなることは無駄にはならないはずですから。
半年後に名所に行ったことがないなんていうことのないように・・・です。」
朝ながめた海は、朝のぴかぴかした光の輝きとは違って、真っ赤でとても夕陽が大きく、世の中すべてが赤々と燃え広がるダイナミックさを放っていた。
「はぁーーーー!体中が熱くなるみたい。
なのにすごくいい風・・・。
朝が希望の光ならこれは、いっぱいの情熱だわ。」
「ふふふふ。なるほど・・・。」
「えっ?何か・・・変ですか。私・・・。」
「朝もそんなふうに感動していたんですね。
目をいっぱい輝かせて、大声をあげて。
ジュイム様があなたを引っ張って来れなかったわけがよくわかりました。」
「私のせいでジュイム王子が処罰されてるんでしょうか・・・。
柏木さんの今の言葉って、私があまりに海に夢中になっていたから、離れるのがかわいそうに思ったとかいう感じじゃないんですか?
すべて私のせいですね・・・。
私やっぱり、イディアム王子にジュイム王子は悪くないって言って来ないと・・・。」
「あなたが行けばジュイム王子はこの国から追放されてしまいますよ。
もっともっと事をややこしくなさるおつもりですか?」
「ど、どういうことですか?」
「今、この敷地内でいちばん大きな権力を持っているのは誰ですか?」
「イディアム王子?」
「ですね。で、あなたは彼の何ですか?」
「お妃候補です。」
「ジェイム王子はイディアム王子から任を受けていた。
つまり、命令を実行しなければ損失があるということです。
そして、あなたは大失態を演じ、イディアム王子は恥をかくという損失を被ってしまった。
その原因はジェイム王子が任務に忠実でなかったから。
理由はどうであれ、いちばん偉い人の命令を無視する行為は罰の対象となる。
そこへあなたがその応援などしてみなさい。
イディアム王子はジェイム王子とあなたとの関係を勘繰ってしまうことでしょうね。」
「そ、そうですね・・・。私には何の力もない。
そして、お妃候補の自覚もぜんぜんない。
イディアム王子様はとてもステキな人なのに・・・あの方のお妃なんてテレビの中の出来事みたいに思えてしまう。」
他のお妃候補たちは、それぞれにさっさと勉学や休憩のために会場を後にしていた。
「か、柏木さん・・・。ほんとにすみませんでした。
書類を出して契約してしまったのですから、私には何の権限もなかったのを忘れてしまっていました。
それと・・・あのメモ。投げてくださってありがとうございました。
頭の中が真っ白だったあの中で、本当に私という存在がなんとか生き残ることができました。」
「いえ、お役に立てて何よりです。
私の方こそ、先ほどは乱暴なことをして申し訳ありませんでした。
執事という自分の身分をわきまえない行動をしておはずかしい限りです。
あ・・・首が赤くなってしまいましたね。
私も2度とあなたにこのような傷を負わさないと誓いますから、もう怖がらないでください。
もう・・・泣かないでくださいませんか。」
謝罪をしてうなだれている柏木を見つめたミチルはささっと涙を手の甲でぬぐって笑顔で話す。
「もう大丈夫です。こんなおばかで泣き虫な私ですけど、よろしくご指導お願いしますね。」
「では、海に感動してくださったあなたがもっともっとこの国を好きになっていただける場所へご案内いたします。
そして帰り道には夕陽で燃え上がるような海をご覧いただきながらオジュロールへとお送りいたしましょう。」
「わぁ、いいんですか?そんな観光させていただいても・・・?」
「地理に詳しくなることは無駄にはならないはずですから。
半年後に名所に行ったことがないなんていうことのないように・・・です。」
朝ながめた海は、朝のぴかぴかした光の輝きとは違って、真っ赤でとても夕陽が大きく、世の中すべてが赤々と燃え広がるダイナミックさを放っていた。
「はぁーーーー!体中が熱くなるみたい。
なのにすごくいい風・・・。
朝が希望の光ならこれは、いっぱいの情熱だわ。」
「ふふふふ。なるほど・・・。」
「えっ?何か・・・変ですか。私・・・。」
「朝もそんなふうに感動していたんですね。
目をいっぱい輝かせて、大声をあげて。
ジュイム様があなたを引っ張って来れなかったわけがよくわかりました。」
「私のせいでジュイム王子が処罰されてるんでしょうか・・・。
柏木さんの今の言葉って、私があまりに海に夢中になっていたから、離れるのがかわいそうに思ったとかいう感じじゃないんですか?
すべて私のせいですね・・・。
私やっぱり、イディアム王子にジュイム王子は悪くないって言って来ないと・・・。」
「あなたが行けばジュイム王子はこの国から追放されてしまいますよ。
もっともっと事をややこしくなさるおつもりですか?」
「ど、どういうことですか?」
「今、この敷地内でいちばん大きな権力を持っているのは誰ですか?」
「イディアム王子?」
「ですね。で、あなたは彼の何ですか?」
「お妃候補です。」
「ジェイム王子はイディアム王子から任を受けていた。
つまり、命令を実行しなければ損失があるということです。
そして、あなたは大失態を演じ、イディアム王子は恥をかくという損失を被ってしまった。
その原因はジェイム王子が任務に忠実でなかったから。
理由はどうであれ、いちばん偉い人の命令を無視する行為は罰の対象となる。
そこへあなたがその応援などしてみなさい。
イディアム王子はジェイム王子とあなたとの関係を勘繰ってしまうことでしょうね。」
「そ、そうですね・・・。私には何の力もない。
そして、お妃候補の自覚もぜんぜんない。
イディアム王子様はとてもステキな人なのに・・・あの方のお妃なんてテレビの中の出来事みたいに思えてしまう。」