夢への道は恋の花道?
いつのまにか、目をいっぱい輝かせたミチルが柏木の膝に手を置いて話している。

「遊ぶなんて・・・」


「来るものは拒まずに・・・どんどんやっちゃうんでしょ。」


「なんて破廉恥なことをいうんです!
私がそんな男に見えますか?」


「ええ、とっても。
氷メガネがとっても根がスケベそうなことを物語っているわ。」


「いい加減にしないと・・・いくら私でも怒りますよ!
あなたが心を痛めておられると思ったのに。」



「あはははっ。ごめんなさい、言い過ぎたわ。
キョウに怒られたら元気が出たわ。

もう私は大丈夫よ、予定遅れちゃったけど試験するんでしょ。」



「そうですけど・・・大丈夫ですか?」


「何かやってる方がいいのよ。ねっ。
じゃないと、お隣に侵入しちゃうから!」



「わかりました。ではお茶と料理を見させていただきますので、台所の方へ移動しましょう。

ギリアム様にはお妃候補の使用するものの許可はすべてとってありますので。」


台所へ行くと、少しお腹が膨らんでいるメラルーナが居て、ミチルを見るなり駆け寄ってきた。


「ミチル、もういいの?
大変だったわね。でもすごいわ、昨日もお話をきいてびっくりだったけど、今日はもう、どきどきわくわくの連続よ!

他人を助けるために体や命を投げ出した人なのに、こんな小柄な女の子なんだもん、すごいわ。

あ、私自己紹介がまだだわ。メラルーナよ、よろしくね。」


「ミチルです。お部屋の提供からいろいろとお手間をおかけしてすみません。
ほんとにありがとうございます。」


「いいのいいの。私の義理のお姉様になるかもしれないんだし、なってほしいし・・・。がんばってね。」


「では課題に入らせていただきます。
あれ?メラルーナ様までどうして・・・?」


「だって、私は恋愛結婚ですぐにギリアムとここで生活するようになったでしょう?
お妃教育って知らないから、ちょっと・・・いっしょにやってみたくて。」


「しかし、メラルーナ様は貴族の姫なのですからすべてこなしていらっしゃったでしょうに・・・。」


「私はメラルーナ様といっしょで楽しいよ。
キョウに怒られてばかりだと凹んじゃうし。あははは。

それともキョウはSだから私をいじめたい?」


「だ、誰がSなんですか!もういいです、おふたりで課題をやってください。」


「はぁ~い。私はキョウはMの方が似合うと思う。見た目とは違うのね。」



「ミチル様!余計なおしゃべりはせずに、レシピ通りに作ってください。」


「ププッ・・・」


「メラルーナ様?」


「いいコンビね。お妃候補は最後にはずしてもらってキョウ様のお妃になれば楽しそうだわ。うふふふ。」


「えっ・・・。」


(メラルーナ様ったらそんなこと・・・。柏木さんは何より仕事に忠実なのは私だってよくわかってるのに。

だからちょっといじめてみたくて・・・突っついてるんだけどね。

イディアム様と1つ違いなんて、なんかすごい大人な感じがするのに・・・。

でも、ここに来て不思議だわ。
柏木さんの声と顔をすぐに見れて助けてもらえたってわかったら、フラッシュバックしなくなった。

きびしいし、怒られるのに教えてもらえるのがうれしい。)
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