夢への道は恋の花道?
料理を作って、お茶を入れて、型紙を使ってパジャマを作り、マスコット人形を手縫いする・・・。
「こんな課題ってどなたが考えておられるんですか?」
「王宮付きのベテラン侍従と王妃様です。」
「王妃様ってご病気の王様の・・・お妃様ですよね。
この間のお披露目の時に確か、入口前に座っておられた方・・・。」
「王妃様とお話されたのですか?
すごい観察力ですね・・・。他のお妃候補の皆様は誰ひとり王妃様のことは気が付かなかったというのに。」
「うん、ちょっとね・・・。
私が偉そうなことを並べ立てたあとね・・・キョウが投げてくれたメモの内容のやつだよ。
私の顔を怒りも笑いもせずに、ひたすら黙ってじっと見つめていたの。
どうしてこんなに私のことを見つめるんだろう?って思ってね。」
「なるほど・・・。」
「だから、王妃様に遅れてきたくせに偉そうなことを言って申し訳ございません。って言ったの。
そしたらね・・・『どういう境遇で、どういう出会いであっても2人の出会いが本物なら、半年もいらないうちにお互いがそばにいてもらわなきゃ、気が狂いそうになるものなのよ。』って・・・。」
「そんなお話をされていたとは・・・。
ミチル様は王妃様に好かれたようで、何よりです。」
「半年後にイディアム様がそばにいないと私はどうなってしまうのかしら?」
「さぁ・・・。」
「狂うほど愛してもらえなかったとしても、追放されなければ申告しておいた希望のものをいただけるんですよね。
それだけで満足できるのかなぁ・・・私。」
「では、そろそろそのイディアム王子のところへ行きましょう。
毎日のお妃候補の面会時間は決まっています。
しかし・・・王子が望まれればその他の時間もおふたりの時間となります。」
「王子のハートをゲッチュしろというのね。
がんばるわ、キョウ。やってやるわよ、キョウ。
負けないわ、キョウ。臨むところよ、キョウ。」
「ミチル様、意気込みはわかりましたので、私の名前の安売りはやめてくださいませんか。」
「わかった?あはははは。」
「からかわないでください!」
「だって、まだここへきて日が浅いけど、キョウの弱点がちょっぴりだけ見えちゃってうれしいんだもの。
私、偉そうな俺様くんを、アセアセ状態くんにしちゃうのが大好きよ。
異常な汗をかいて、赤くなって・・・ふふふ、もう楽しい~~~~♪」
「ミチル様はゆがんでおられます。」
「そう?最高の褒め言葉ね。くくくっ」
(ん~なんという邪悪な女だったとは・・・。
最初は何も知らない、ほっとけない抜けた女性だと思っていたのに、鋭いところもあって、探究心にこんなにあふれている娘だとは・・・。
でも、なかなかに面白いお嬢さんだ。)
ミチルはメラルーナが指定した着替え部屋で支度をしに行き、邸の門の前で柏木に待機してもらうようにした。
しかし、柏木のところには40分後になってもミチルの姿は現れなかった。
「おかしい!こんな時間がかかるなんてありえないのに・・・。
まさか!くっ、やられた!」
ミチルは衣裳部屋の窓から抜け出して、歩いて20分ほどのイディアム邸へとひとりで向かったのだった。
「こんな課題ってどなたが考えておられるんですか?」
「王宮付きのベテラン侍従と王妃様です。」
「王妃様ってご病気の王様の・・・お妃様ですよね。
この間のお披露目の時に確か、入口前に座っておられた方・・・。」
「王妃様とお話されたのですか?
すごい観察力ですね・・・。他のお妃候補の皆様は誰ひとり王妃様のことは気が付かなかったというのに。」
「うん、ちょっとね・・・。
私が偉そうなことを並べ立てたあとね・・・キョウが投げてくれたメモの内容のやつだよ。
私の顔を怒りも笑いもせずに、ひたすら黙ってじっと見つめていたの。
どうしてこんなに私のことを見つめるんだろう?って思ってね。」
「なるほど・・・。」
「だから、王妃様に遅れてきたくせに偉そうなことを言って申し訳ございません。って言ったの。
そしたらね・・・『どういう境遇で、どういう出会いであっても2人の出会いが本物なら、半年もいらないうちにお互いがそばにいてもらわなきゃ、気が狂いそうになるものなのよ。』って・・・。」
「そんなお話をされていたとは・・・。
ミチル様は王妃様に好かれたようで、何よりです。」
「半年後にイディアム様がそばにいないと私はどうなってしまうのかしら?」
「さぁ・・・。」
「狂うほど愛してもらえなかったとしても、追放されなければ申告しておいた希望のものをいただけるんですよね。
それだけで満足できるのかなぁ・・・私。」
「では、そろそろそのイディアム王子のところへ行きましょう。
毎日のお妃候補の面会時間は決まっています。
しかし・・・王子が望まれればその他の時間もおふたりの時間となります。」
「王子のハートをゲッチュしろというのね。
がんばるわ、キョウ。やってやるわよ、キョウ。
負けないわ、キョウ。臨むところよ、キョウ。」
「ミチル様、意気込みはわかりましたので、私の名前の安売りはやめてくださいませんか。」
「わかった?あはははは。」
「からかわないでください!」
「だって、まだここへきて日が浅いけど、キョウの弱点がちょっぴりだけ見えちゃってうれしいんだもの。
私、偉そうな俺様くんを、アセアセ状態くんにしちゃうのが大好きよ。
異常な汗をかいて、赤くなって・・・ふふふ、もう楽しい~~~~♪」
「ミチル様はゆがんでおられます。」
「そう?最高の褒め言葉ね。くくくっ」
(ん~なんという邪悪な女だったとは・・・。
最初は何も知らない、ほっとけない抜けた女性だと思っていたのに、鋭いところもあって、探究心にこんなにあふれている娘だとは・・・。
でも、なかなかに面白いお嬢さんだ。)
ミチルはメラルーナが指定した着替え部屋で支度をしに行き、邸の門の前で柏木に待機してもらうようにした。
しかし、柏木のところには40分後になってもミチルの姿は現れなかった。
「おかしい!こんな時間がかかるなんてありえないのに・・・。
まさか!くっ、やられた!」
ミチルは衣裳部屋の窓から抜け出して、歩いて20分ほどのイディアム邸へとひとりで向かったのだった。