夢への道は恋の花道?
厳しさと優しさと泥棒と
翌日、ミチルはメラルーナから薄緑のテニスウェアをプレゼントしてもらった。
「あ、ありがとうございます。・・・でも、テニスボールにも触れたことがない私に立派なウェアをご用意していただいて申し訳ないです。」
「あら、キョウから見立ててやってくださいってお願いされたとき、私は本当にうれしくてお店まで足を運びましたのよ。
自分のは適当にカタログで見てメイドに取りにいってもらうんですけど、お妃候補の服ということでしたら、他のお嬢様たちに負けるわけにはいきませんからね!」
「メラルーナ様はご自分の勝負のように気合が入っておられるのですね~」
メイドのカエまでが目を輝かせて用意をしている。
「ところでメラルーナ様はどうしてこのお色を選ばれたのですか?
お妃候補の方ってピンク色とかお好きだと思うのですが・・・。
緑ってテニスのアニメではライバル役が着るイメージが強いですよ。」
「おほほほ。カエったら、面白いお約束を持ち出すのね。
薄緑を選んだのは、ミチルのイメージです。
元気があって動きいいもので、小柄だけど誰かに頼ってないとやっていけない女ではないのよ!っていう主張なの。
他のお妃候補は同じ日本人の千代以外は皆、ミチルより背が高いはず。
千代は髪が真っ黒だからピンクかブルーじゃないかと予想するわ。」
「ちよ・・さん?そういえば、遅刻したときの帰りに車に乗り込む姿をチラっと拝見しました。
私と同じくらいの背格好でしたね。
日本人形っぽくてテニスって感じじゃないみたい。」
「あら、千代は中学以降はほとんどテニスをしてなかったようですけど、ジュニアの国内大会では優勝、準優勝をとっていらしたようよ。」
「め、メラルーナ様いったいその情報はどこからとってきてるんですか?」
カエは驚きと感心で声をあげた。
「私はこれでも王家の次男の妻なのよ。
義兄のお妃リストや資料なんていつでも見ることができるわ。」
「そ、そういうものなのですね・・・。
あ、あの・・・。お妃候補のエレンも出場するんですか?」
「エレン?え~と・・・ええ出るわよ。
エレンは4才からテニスを習っているわ。
とくに選手というわけではないけれど、ずっとスクールは続いてたみたいね。」
「なっ!・・・みんなたしなみでやっておられるんですね。
ふう・・・。私だけ大初心者なんだぁ・・・。」
「そんな、何もしてないうちから凹んじゃダメ。
そのかわり、あなたには超優秀なコーチがついてるじゃないの。
キョウはスポーツ万能でテニスは教えるのもすごく上手よ。
うちの弟や妹も教えてもらったことがあるけれど、ほんとに短期間でスイスイできるようになったくらいですもの。」
「ええっーーー!そうだったんですか。」
「ミチルは運動ダメ子ってわけじゃないのでしょう?
ここに来た翌日は、うちの犬に追いかけられても逃げ切ったくらいだし。」
「メラルーナさまぁ・・・それは運動神経とは特に関係ないんじゃ・・・。」
「だって足は速いし、あっという間に木に登って、うちの犬たちは下で吠えてるだけだったじゃないの。
陸上選手も真っ青だな~って思ったくらいよ。」
「だからそれは・・・逃げるのに必死で・・・。」
「キャ~もう、メラルーナ様もミチル様も面白すぎです。
お話に夢中になってお食事が遅れてしまいますよ。」
「あっそうだったわ!!!」
ミチルが慌てて食卓につくと、横でクスクスと柏木が笑いながら立っていた。
「お、おはようございます・・・。ククッ」
「キョウ・・・もしかしてメラルーナ様とお話してたのをきいてたの?
なんか・・・笑いすぎ!」
「はい。まあ・・・その・・・あのときのことを思い出して。
私がお茶の準備をしていたときに、メイドが助けてくださいって慌てていたので見に行ったら、あなたが・・・。プッ・・・ふふ。
気の上でとても困った顔で私の方を見て、目で訴えていたのが印象的で・・・おてんばなお嬢様だと思いましたが、泣きべそ顔がとてもかわいらしくて・・・。」
「もう、その話はいいわよ!しっかり食べて練習しないと。」
「はい、そうでしたね。」
「ねぇ・・・キョウはまさか着替えないの?」
「もう着替えていますよ。ものの3秒もかかりませんので。」
「いったいどういう人なのよ!」
「あ、ありがとうございます。・・・でも、テニスボールにも触れたことがない私に立派なウェアをご用意していただいて申し訳ないです。」
「あら、キョウから見立ててやってくださいってお願いされたとき、私は本当にうれしくてお店まで足を運びましたのよ。
自分のは適当にカタログで見てメイドに取りにいってもらうんですけど、お妃候補の服ということでしたら、他のお嬢様たちに負けるわけにはいきませんからね!」
「メラルーナ様はご自分の勝負のように気合が入っておられるのですね~」
メイドのカエまでが目を輝かせて用意をしている。
「ところでメラルーナ様はどうしてこのお色を選ばれたのですか?
お妃候補の方ってピンク色とかお好きだと思うのですが・・・。
緑ってテニスのアニメではライバル役が着るイメージが強いですよ。」
「おほほほ。カエったら、面白いお約束を持ち出すのね。
薄緑を選んだのは、ミチルのイメージです。
元気があって動きいいもので、小柄だけど誰かに頼ってないとやっていけない女ではないのよ!っていう主張なの。
他のお妃候補は同じ日本人の千代以外は皆、ミチルより背が高いはず。
千代は髪が真っ黒だからピンクかブルーじゃないかと予想するわ。」
「ちよ・・さん?そういえば、遅刻したときの帰りに車に乗り込む姿をチラっと拝見しました。
私と同じくらいの背格好でしたね。
日本人形っぽくてテニスって感じじゃないみたい。」
「あら、千代は中学以降はほとんどテニスをしてなかったようですけど、ジュニアの国内大会では優勝、準優勝をとっていらしたようよ。」
「め、メラルーナ様いったいその情報はどこからとってきてるんですか?」
カエは驚きと感心で声をあげた。
「私はこれでも王家の次男の妻なのよ。
義兄のお妃リストや資料なんていつでも見ることができるわ。」
「そ、そういうものなのですね・・・。
あ、あの・・・。お妃候補のエレンも出場するんですか?」
「エレン?え~と・・・ええ出るわよ。
エレンは4才からテニスを習っているわ。
とくに選手というわけではないけれど、ずっとスクールは続いてたみたいね。」
「なっ!・・・みんなたしなみでやっておられるんですね。
ふう・・・。私だけ大初心者なんだぁ・・・。」
「そんな、何もしてないうちから凹んじゃダメ。
そのかわり、あなたには超優秀なコーチがついてるじゃないの。
キョウはスポーツ万能でテニスは教えるのもすごく上手よ。
うちの弟や妹も教えてもらったことがあるけれど、ほんとに短期間でスイスイできるようになったくらいですもの。」
「ええっーーー!そうだったんですか。」
「ミチルは運動ダメ子ってわけじゃないのでしょう?
ここに来た翌日は、うちの犬に追いかけられても逃げ切ったくらいだし。」
「メラルーナさまぁ・・・それは運動神経とは特に関係ないんじゃ・・・。」
「だって足は速いし、あっという間に木に登って、うちの犬たちは下で吠えてるだけだったじゃないの。
陸上選手も真っ青だな~って思ったくらいよ。」
「だからそれは・・・逃げるのに必死で・・・。」
「キャ~もう、メラルーナ様もミチル様も面白すぎです。
お話に夢中になってお食事が遅れてしまいますよ。」
「あっそうだったわ!!!」
ミチルが慌てて食卓につくと、横でクスクスと柏木が笑いながら立っていた。
「お、おはようございます・・・。ククッ」
「キョウ・・・もしかしてメラルーナ様とお話してたのをきいてたの?
なんか・・・笑いすぎ!」
「はい。まあ・・・その・・・あのときのことを思い出して。
私がお茶の準備をしていたときに、メイドが助けてくださいって慌てていたので見に行ったら、あなたが・・・。プッ・・・ふふ。
気の上でとても困った顔で私の方を見て、目で訴えていたのが印象的で・・・おてんばなお嬢様だと思いましたが、泣きべそ顔がとてもかわいらしくて・・・。」
「もう、その話はいいわよ!しっかり食べて練習しないと。」
「はい、そうでしたね。」
「ねぇ・・・キョウはまさか着替えないの?」
「もう着替えていますよ。ものの3秒もかかりませんので。」
「いったいどういう人なのよ!」