夢への道は恋の花道?
柏木は夕飯後にイディアム王子への訪問はできない旨を王宮に送り、その時間でミチルにダンス指導した。
「私に体を預けるように足を出してください。
下を見ないようにして、音楽に耳を傾けて、あとは私にすべておまかせを。」
「そんなだったら、相手が変わったらこけちゃうよぉ!」
「大丈夫です。あなたのお相手を替わるつもりはありませんから。」
「そ、そんなわけにはいかないでしょ。
テニスのときみたいに、お客様がかなり来るってきいてるわ。」
「今だっておしゃべりしながら踊れてるじゃないですか。
慣れてるお上手な方なら、きちんとエスコートしてくださいますよ。
これはマズイって思ったら何かとじゃまをして差し上げます。」
「じゃまねぇ・・・。たとえばどんな?」
「こうやってあなたの手をとって自分がパートナーになった上で・・・。
このように、あなたを傾けて。」
「ま、待って!それ・・・それダメ!」
「どうしてです?キスは解禁でしょ。」
「そんなの海水浴じゃないんですから解禁してません!」
「そんなぁ!この体勢で長くいると、もう我慢できません。」
「じゃ、もう終わり。お疲れさま~~~」
「はぁ・・・。なまごろしですか。う~ん・・・。」
翌日も翌々日も、イディアム王子はナフィリサとともに過ごし、柏木とジュイムの偽イディアムもいい感じで過ごせていた。
そして、とうとう王宮内でダンスパーティーの日がおとずれた。
「王子はお3人とも忙しそうね。
それに、お妃候補も順番に王子様たちと踊ってるわ。
私もとりあえず、ギリアム王子からでもお願いしてみようかしら。」
「いけません、あなたは私と踊るんです。
ボロが出まくっても知りませんよ。
思いっきりにわか仕込みなんですから。」
「だってぇ・・・不自然じゃーーー!どうして私は執事と踊ってないといけないのよ。」
ミチルが文句を言っていると、メラルーナが通りかかって
「ここでもめてる場合じゃないわよ。
いろいろ事情はきいてるわ。
とりあえず、ギリアムと踊ってきて。
キョウは私と踊ればいいわ。」
「だそうです・・・よ。」
「はい、申し訳ございません。」
「ふふっ、ほんとにあなたたち面白すぎよ。
でも、この会場でそんなラブラブ光線出しちゃだめだからね。
しばらく私で我慢してちょうだい。
それとね・・・もう少ししたら、お願い。」
「はっ・・・はい。かしこまりました。」
メラルーナは踊りながら柏木にナフィリサの補助をするように命じたのだった。
その頃、ミチルはギリアム王子とダンスをしながら、イディアム王子のことを聞かされた。
「たぶんね・・・今夜が2人の別れになりそうなんだよ。」
「ええっ・・・そんな、そんなこと。」
「ごめん、倒れないで。
終わるまで、君たちにはしっかりとがんばってほしいから。ねっ。」
「わかりました。すみません・・・覚悟しなきゃですね。
覚悟はしてたんですけど、でも、ナフィリサと話せば話すほどやっぱり、どうしてこんなことになっちゃうのって。つらくて。」
「うん。だけど、これはどうしようもないことだった。
お妃候補になんとか押し込んでこうなることが精いっぱいだった。」
「そうですね。王子って立場も大変だなって思います。」
「それでね、もしナフィリサが逝ってしまったら、その後ドタドタっていろんなことが決まってしまうと思う。
そうなったらゆっくりと君と笑える話をすることもなくなるけど、うちに来てくれてありがとう。」
「いいえ、私こそ保護していただいてなんてお礼をいったらいいか。
メラルーナ様にもとてもよくしてもらって、私は本当に幸せです。」
「そういってくれるとうれしいよ。
あ、そろそろお待ちかねの2人のお出ましだ。
さりげなく、近づいていくよ。」
「ええ、しっかりお支えしないと・・・」
ギリアム王子とミチルが踊りながらナフィリサに近づくと、柏木がナフィリサのエスコートをしてイディアム王子の方へ向かっていた。
イディアム王子の前にナフィリサが立ったところで、柏木がナフィリサをイディアムの方へやや強く放り投げるように体を送りだし、イディアムが倒れかけそうなナフィリサを受け止めた。
「よく、きたね。踊ろう。」
「はい。私がんばらなきゃ・・・」
「そうだね、みんな注目してるよ。
下を見ないで。僕の顔だけ見ているといい。」
「ええ。足元が危うくなってもひっぱってくださいね。」
「ああ、わかってるよ。
ふたりの晴れ舞台だからね・・・。」
「私に体を預けるように足を出してください。
下を見ないようにして、音楽に耳を傾けて、あとは私にすべておまかせを。」
「そんなだったら、相手が変わったらこけちゃうよぉ!」
「大丈夫です。あなたのお相手を替わるつもりはありませんから。」
「そ、そんなわけにはいかないでしょ。
テニスのときみたいに、お客様がかなり来るってきいてるわ。」
「今だっておしゃべりしながら踊れてるじゃないですか。
慣れてるお上手な方なら、きちんとエスコートしてくださいますよ。
これはマズイって思ったら何かとじゃまをして差し上げます。」
「じゃまねぇ・・・。たとえばどんな?」
「こうやってあなたの手をとって自分がパートナーになった上で・・・。
このように、あなたを傾けて。」
「ま、待って!それ・・・それダメ!」
「どうしてです?キスは解禁でしょ。」
「そんなの海水浴じゃないんですから解禁してません!」
「そんなぁ!この体勢で長くいると、もう我慢できません。」
「じゃ、もう終わり。お疲れさま~~~」
「はぁ・・・。なまごろしですか。う~ん・・・。」
翌日も翌々日も、イディアム王子はナフィリサとともに過ごし、柏木とジュイムの偽イディアムもいい感じで過ごせていた。
そして、とうとう王宮内でダンスパーティーの日がおとずれた。
「王子はお3人とも忙しそうね。
それに、お妃候補も順番に王子様たちと踊ってるわ。
私もとりあえず、ギリアム王子からでもお願いしてみようかしら。」
「いけません、あなたは私と踊るんです。
ボロが出まくっても知りませんよ。
思いっきりにわか仕込みなんですから。」
「だってぇ・・・不自然じゃーーー!どうして私は執事と踊ってないといけないのよ。」
ミチルが文句を言っていると、メラルーナが通りかかって
「ここでもめてる場合じゃないわよ。
いろいろ事情はきいてるわ。
とりあえず、ギリアムと踊ってきて。
キョウは私と踊ればいいわ。」
「だそうです・・・よ。」
「はい、申し訳ございません。」
「ふふっ、ほんとにあなたたち面白すぎよ。
でも、この会場でそんなラブラブ光線出しちゃだめだからね。
しばらく私で我慢してちょうだい。
それとね・・・もう少ししたら、お願い。」
「はっ・・・はい。かしこまりました。」
メラルーナは踊りながら柏木にナフィリサの補助をするように命じたのだった。
その頃、ミチルはギリアム王子とダンスをしながら、イディアム王子のことを聞かされた。
「たぶんね・・・今夜が2人の別れになりそうなんだよ。」
「ええっ・・・そんな、そんなこと。」
「ごめん、倒れないで。
終わるまで、君たちにはしっかりとがんばってほしいから。ねっ。」
「わかりました。すみません・・・覚悟しなきゃですね。
覚悟はしてたんですけど、でも、ナフィリサと話せば話すほどやっぱり、どうしてこんなことになっちゃうのって。つらくて。」
「うん。だけど、これはどうしようもないことだった。
お妃候補になんとか押し込んでこうなることが精いっぱいだった。」
「そうですね。王子って立場も大変だなって思います。」
「それでね、もしナフィリサが逝ってしまったら、その後ドタドタっていろんなことが決まってしまうと思う。
そうなったらゆっくりと君と笑える話をすることもなくなるけど、うちに来てくれてありがとう。」
「いいえ、私こそ保護していただいてなんてお礼をいったらいいか。
メラルーナ様にもとてもよくしてもらって、私は本当に幸せです。」
「そういってくれるとうれしいよ。
あ、そろそろお待ちかねの2人のお出ましだ。
さりげなく、近づいていくよ。」
「ええ、しっかりお支えしないと・・・」
ギリアム王子とミチルが踊りながらナフィリサに近づくと、柏木がナフィリサのエスコートをしてイディアム王子の方へ向かっていた。
イディアム王子の前にナフィリサが立ったところで、柏木がナフィリサをイディアムの方へやや強く放り投げるように体を送りだし、イディアムが倒れかけそうなナフィリサを受け止めた。
「よく、きたね。踊ろう。」
「はい。私がんばらなきゃ・・・」
「そうだね、みんな注目してるよ。
下を見ないで。僕の顔だけ見ているといい。」
「ええ。足元が危うくなってもひっぱってくださいね。」
「ああ、わかってるよ。
ふたりの晴れ舞台だからね・・・。」