夢への道は恋の花道?
それから帰国する日の朝、ミチルが王宮へ挨拶に出かけようとしているとリビングに置いてあった新聞の驚愕の記事を目の当たりにしてしまう。
「噂の2人は自宅でデート・・・って何なのこれ?
私の部屋の窓。私たちがこんな・・・」
不義理とは思いながらも、ミチルは王宮へ向かうのを止め、イディアムに挨拶のメールを送って空港へと向かった。
空港になんとかたどり着いたものの、なかなか搭乗口に行けないミチルだったが、サングラスに小柄な女がミチルの腕を引っ張っていく。
その手には覚えがあった。
「カエ?・・・カエなんでしょう?」
するとサングラスの女は前を向いたままミチルに返事をした。
「特別の入り口にまいりますから、私についてきてください。
それと、柏木さんからの伝言です。
『泥棒野郎にやられました。最後にドジを踏んでしまってほんとに申し訳ありません。
どんなことがあってもへこたれないで、がんばってください。
あなたの幸せだけを祈っています。』とのことです。」
「私の伝言も伝えて!『私が本当に大切ならどんなことになっても、私に申し開きに来なさい』って。」
「はい、かしこまりました。お伝えします。
あの、私、ミチル様とごいっしょにいる時間がほんとに楽しかったです。
他のお妃候補様の担当もさせていただきましたが、気位の高い方が多かったので少し怖かったけれど、ミチル様はいつも豪快に笑っておられて、あの完璧な柏木さんがオロオロされたところを見ると、失礼なのですが、面白くて。
お二人がこんな形でこれっきりなんて・・・なんか嫌です。
朝からおふたりのワイワイしたかけあいをもっときいていたかったです。
ああ~私、何を言ってるんだか・・・。
とにかく、お体に気をつけてがんばってください。」
「うん、カエもしっかりね。
使用人管理者目指しても氷メガネはかけないでね。あはは」
「私が?・・・それもいいですね。うふふ。
そのときは私がおふたりをお呼びだししてお説教してあげますからね。」
「まぁ!じゃ、ありがと。いくわね。」
カエに教えられた小さな入口を抜けると、隠れ搭乗口があった。
そこから日本へ向かう飛行機にミチルは飛び乗って・・・その後、着席まではしたものの、疲れて眠ってしまったのだった。
夢も、音もない世界が続き、突然大きな光に包まれた気がして飛び起きると、飛行機が日本に着いていてCAが目の前にいた。
「あ、すみません・・・すぐに降りますから。」
思ったよりもずっと疲れていたんだとミチルはふわふわした足取りでロビーへと歩き出す。
「ミチル!」
「おねえちゃん!!」
「あれ・・・なんでみんなそろって・・・?」
「おねえちゃんが帰国するから忙しくなかったら迎えにいってあげてくださいってわざわざテラスティン王国の主催者の人から連絡があったのよ。
たしか、おねえちゃんの報酬を振り込みましたっていう連絡も同じ人だったと思う。」
「柏木さんなの・・・。たぶんそうだわ。
マスコミから追われながら、連絡してくれたんだ・・・。」
「なんかおねえちゃん、やらかしたの?
やらかしたのね・・・イヒヒ。」
「何よ、ミナト!ちょっと出国する前に誤解されるようなことがあっただけよ。
私は何も・・・何もしてないわ。」
「まぁまぁ、とにかく無事に帰ってきたんだ。
今日は久しぶりに家族で食事しようじゃないか。」
そして、父の車で実家へもどる途中・・・。
「お父さん、あいかわらず自家用車はちっちゃいのね。
貧乏性?あはは。」
「まあな、いくら娘がどかっと稼いでくれたといっても無駄遣いはいかんからな。
それに・・・設備投資せねばならない会社もないし。」
「それ・・・どういうことなの?
私の送ったお金で、事業たてなおししたんじゃないの?」
「うん。それがな・・・会社は大企業に持っていかれちまったけれど、従業員も全員引き取ってもらえたんだ。
だから、思ってたよりかは資金は残ってな。
いくらなんでもワシも男だ、娘が体張って稼いでくれた金をパッと遣うわけにはいかんからな。」
「でも、お金がないと・・・!?今、いったいどういう生活してんのよ。」
「噂の2人は自宅でデート・・・って何なのこれ?
私の部屋の窓。私たちがこんな・・・」
不義理とは思いながらも、ミチルは王宮へ向かうのを止め、イディアムに挨拶のメールを送って空港へと向かった。
空港になんとかたどり着いたものの、なかなか搭乗口に行けないミチルだったが、サングラスに小柄な女がミチルの腕を引っ張っていく。
その手には覚えがあった。
「カエ?・・・カエなんでしょう?」
するとサングラスの女は前を向いたままミチルに返事をした。
「特別の入り口にまいりますから、私についてきてください。
それと、柏木さんからの伝言です。
『泥棒野郎にやられました。最後にドジを踏んでしまってほんとに申し訳ありません。
どんなことがあってもへこたれないで、がんばってください。
あなたの幸せだけを祈っています。』とのことです。」
「私の伝言も伝えて!『私が本当に大切ならどんなことになっても、私に申し開きに来なさい』って。」
「はい、かしこまりました。お伝えします。
あの、私、ミチル様とごいっしょにいる時間がほんとに楽しかったです。
他のお妃候補様の担当もさせていただきましたが、気位の高い方が多かったので少し怖かったけれど、ミチル様はいつも豪快に笑っておられて、あの完璧な柏木さんがオロオロされたところを見ると、失礼なのですが、面白くて。
お二人がこんな形でこれっきりなんて・・・なんか嫌です。
朝からおふたりのワイワイしたかけあいをもっときいていたかったです。
ああ~私、何を言ってるんだか・・・。
とにかく、お体に気をつけてがんばってください。」
「うん、カエもしっかりね。
使用人管理者目指しても氷メガネはかけないでね。あはは」
「私が?・・・それもいいですね。うふふ。
そのときは私がおふたりをお呼びだししてお説教してあげますからね。」
「まぁ!じゃ、ありがと。いくわね。」
カエに教えられた小さな入口を抜けると、隠れ搭乗口があった。
そこから日本へ向かう飛行機にミチルは飛び乗って・・・その後、着席まではしたものの、疲れて眠ってしまったのだった。
夢も、音もない世界が続き、突然大きな光に包まれた気がして飛び起きると、飛行機が日本に着いていてCAが目の前にいた。
「あ、すみません・・・すぐに降りますから。」
思ったよりもずっと疲れていたんだとミチルはふわふわした足取りでロビーへと歩き出す。
「ミチル!」
「おねえちゃん!!」
「あれ・・・なんでみんなそろって・・・?」
「おねえちゃんが帰国するから忙しくなかったら迎えにいってあげてくださいってわざわざテラスティン王国の主催者の人から連絡があったのよ。
たしか、おねえちゃんの報酬を振り込みましたっていう連絡も同じ人だったと思う。」
「柏木さんなの・・・。たぶんそうだわ。
マスコミから追われながら、連絡してくれたんだ・・・。」
「なんかおねえちゃん、やらかしたの?
やらかしたのね・・・イヒヒ。」
「何よ、ミナト!ちょっと出国する前に誤解されるようなことがあっただけよ。
私は何も・・・何もしてないわ。」
「まぁまぁ、とにかく無事に帰ってきたんだ。
今日は久しぶりに家族で食事しようじゃないか。」
そして、父の車で実家へもどる途中・・・。
「お父さん、あいかわらず自家用車はちっちゃいのね。
貧乏性?あはは。」
「まあな、いくら娘がどかっと稼いでくれたといっても無駄遣いはいかんからな。
それに・・・設備投資せねばならない会社もないし。」
「それ・・・どういうことなの?
私の送ったお金で、事業たてなおししたんじゃないの?」
「うん。それがな・・・会社は大企業に持っていかれちまったけれど、従業員も全員引き取ってもらえたんだ。
だから、思ってたよりかは資金は残ってな。
いくらなんでもワシも男だ、娘が体張って稼いでくれた金をパッと遣うわけにはいかんからな。」
「でも、お金がないと・・・!?今、いったいどういう生活してんのよ。」