夢への道は恋の花道?
父の車でたどりついた先は、庭付き一戸建ての高級まではいかないまでも、そこそこ静かなたたずまいの家だった。
「どうして・・・私の援助もなしで、こんな家?」
「うちの会社を持って行ってくれた会社の下請け工場で働いているんだ。」
「それとね、私がけっこう稼げるようになったんだよ、おねえちゃん。」
「ど、どういうこと?詳しく説明してよ・・・。
もしかして、私のやってきた努力がすべて無駄だったとか言わないでしょうね!!!」
「決して無駄なんかじゃないよ。
街でスカウトされて、今は女子高生モデルやってるの。
それがね、けっこうイケメンでやり手な社長さんで、最初は騙されてるのかと思ってたんだけど、いいスタッフといい仕事をまわしてくれて、ほんとに助かったのよ。
私にとっては恩人なの・・・。彼。」
「か、彼ですってぇーーー?
その社長ってどんな男なの?
それって典型的プレイボーイの手練手管かもしれないじゃない!」
「そんなことないって。仕事には厳しくて、きちんと説明してくれるし、説明を受けてからやりたくなければやらなくてもいいって。
まだ学生だし、自分のためになることをやるんだよっていい人だと思うけど。
あ・・・これが社長なんだけどね・・・。」
「うぉ!!!この人って・・・げっ・・・そんな・・・。
こいつは・・・どろ・・ドロボ・・・。
クイン・リーナスじゃない!」
「そんな名前じゃないって。クラン・ナスリー・岡田っていうの。」
「クラン・ナスリー?りーなす?なんか業界っぽいアレンジじゃないの?
こいつがもし、私が知ってるクインと同一人物だとしたら・・・あんた絶対ひどい目に遭うわよ。」
「何かあったの?」
「それが・・・」
「ええぇぇぇぇーーー!マスコミに追われてるの?おねえちゃんがぁ!!!」
「私に好意的な仲間がうまく日本へと逃がしてくれたから、こうして帰ってこれたんだけど・・・。」
「大変だったんだね、おねえちゃん・・・。
それで、その電話をかけてきてくれた柏木さんって人はおねえちゃんは好きなの?」
家族みんなでミチルの顔をのぞきこむようにしていたので、ミチルはすぐには返事ができなかった。
「たぶん・・・だけど・・・もう会えないと思う。
ものすごく優秀な人だから、ひっぱりだこで私になんか会いに来れるわけないって。
でもいいの。とてもいい思い出もらったし。
あのね・・・お妃候補のライバルだったある女の子なんて、自分の残り少ない命をかけて王子と踊って・・・踊りながら亡くなったの。
でも、すごく幸せな顔だった。
思い出だけでもあんなに幸せになれるんだって思ったし、私はこのとおりピンシャンしてるんだから、これからがんばるわよ。」
「おねえちゃん・・・。うん、みんなでがんばろう。」
日高家は以前と変わりない家庭として再出発となったように見えた・・・。
妹のミナトの仕事ぶりを見学するまでは。
「どうして・・・私の援助もなしで、こんな家?」
「うちの会社を持って行ってくれた会社の下請け工場で働いているんだ。」
「それとね、私がけっこう稼げるようになったんだよ、おねえちゃん。」
「ど、どういうこと?詳しく説明してよ・・・。
もしかして、私のやってきた努力がすべて無駄だったとか言わないでしょうね!!!」
「決して無駄なんかじゃないよ。
街でスカウトされて、今は女子高生モデルやってるの。
それがね、けっこうイケメンでやり手な社長さんで、最初は騙されてるのかと思ってたんだけど、いいスタッフといい仕事をまわしてくれて、ほんとに助かったのよ。
私にとっては恩人なの・・・。彼。」
「か、彼ですってぇーーー?
その社長ってどんな男なの?
それって典型的プレイボーイの手練手管かもしれないじゃない!」
「そんなことないって。仕事には厳しくて、きちんと説明してくれるし、説明を受けてからやりたくなければやらなくてもいいって。
まだ学生だし、自分のためになることをやるんだよっていい人だと思うけど。
あ・・・これが社長なんだけどね・・・。」
「うぉ!!!この人って・・・げっ・・・そんな・・・。
こいつは・・・どろ・・ドロボ・・・。
クイン・リーナスじゃない!」
「そんな名前じゃないって。クラン・ナスリー・岡田っていうの。」
「クラン・ナスリー?りーなす?なんか業界っぽいアレンジじゃないの?
こいつがもし、私が知ってるクインと同一人物だとしたら・・・あんた絶対ひどい目に遭うわよ。」
「何かあったの?」
「それが・・・」
「ええぇぇぇぇーーー!マスコミに追われてるの?おねえちゃんがぁ!!!」
「私に好意的な仲間がうまく日本へと逃がしてくれたから、こうして帰ってこれたんだけど・・・。」
「大変だったんだね、おねえちゃん・・・。
それで、その電話をかけてきてくれた柏木さんって人はおねえちゃんは好きなの?」
家族みんなでミチルの顔をのぞきこむようにしていたので、ミチルはすぐには返事ができなかった。
「たぶん・・・だけど・・・もう会えないと思う。
ものすごく優秀な人だから、ひっぱりだこで私になんか会いに来れるわけないって。
でもいいの。とてもいい思い出もらったし。
あのね・・・お妃候補のライバルだったある女の子なんて、自分の残り少ない命をかけて王子と踊って・・・踊りながら亡くなったの。
でも、すごく幸せな顔だった。
思い出だけでもあんなに幸せになれるんだって思ったし、私はこのとおりピンシャンしてるんだから、これからがんばるわよ。」
「おねえちゃん・・・。うん、みんなでがんばろう。」
日高家は以前と変わりない家庭として再出発となったように見えた・・・。
妹のミナトの仕事ぶりを見学するまでは。