夢への道は恋の花道?
クイン改めクランはミチルを学生たちも集う居酒屋に連れていった。
「あははは、らしくない!!」
「わ、笑うな。いくら社長でも会社の金に手をつけるわけにはいかないし、今月は君の妹の新しい仕事のことで、けっこう飲み会にだのパーティーだの出席しなきゃいけなくて・・・。」
「おけらなんでしょ?」
「あ、ああ。うう~~カッコ悪い・・・俺。」
「でもこういうとこの方が話しやすいわ。
柏木さんのこと・・・悪い話をいっぱいするんでしょう?」
「まあな。他の男の話なんて本来したくもないけど、君があいつとくっつくなんてもっての他だからさ。」
「そんなに悪いことしてるの?」
「あれ、知らないのか?君のお父さんの会社だって取り上げた張本人じゃないか。」
「ウソっ、だってあれは大企業が・・・」
「だからぁ~~その大企業の代表があいつだよ。
君の家の周辺の土地を全部手に入れちまいやがったのさ。
そして、街ごと再開発してまた巨額の富を手に入れる。
まぁテラスティンには何か思い入れがあったようだから、何を考えて君の執事になったのかは不明だけどね。」
「そんな・・・お父さんから会社を取り上げた・・・張本人だなんて。
まさか、罪滅ぼしのつもりで私と・・・それでも許せない。
ううん、信じられないよ。
私のために命もかけてくれたのに・・・。
それに・・・あのとき。
どんなことになってもって・・・すごく悲しい目をして、もう会ってくれなかった。
利用したり、遊びだったら、もっと早くに捨てられもおかしくないはずだし・・・。」
「お優しいことだね。
じゃ、この情報はどうかな。
君が帰国した頃に、あいつはお妃候補だったマウルといっしょに行動をともにしている。
俺はマウルとミアンナがお妃になるんじゃないかって思ってたのにな。
君のあとがまがマウルだったみたいだな。」
「そ、そんなこと・・・。そんな。」
「もう忘れた方がいい。お父さんは新しく仕事してるんだろう?」
「う、うん。」
「嫌なことはさっさと忘れて、やりたいって言ってた服飾の勉強しなよ。
君が妹に服を提供してやって、妹がそれを売り出せばすごいと思うぜ。
いや、金儲けっていうだけじゃなくて、女の子たちから反響があるってことだよ。」
「夢みたいな話ね。
だけど・・・そろそろ学んでもいい頃だわ。」
「おお、がんばれ。で・・・次いつデートする?」
「はぁ?何なのあんた!
ちょっと見た目いいだけの泥棒が勝手なこと言うんじゃないわよ。」
「ぎくっ!あ、ああ、いつのまにそんなにお酒を・・・。
安酒だから悪酔いしてるしぃ。
まずいな・・・。暴れそうな勢いか。」
「あのねぇ・・・君!!!あっ・・・トイレ行ってくる。」
ミチルはトイレに行って、少し気分が楽になったところで、レジ横のカウンター席の横を通りすぎるときに、力強く腰に手をまわされて、口の中に梅干しをつっこまれた。
「うぐぐぐ。」
そのままミチルを抱えた男は支払いをすませて、ビル街の外へと歩きだした。
しばらく歩いて、その後すばやくミチルを抱き上げ近くに停まっていた車に飛び乗った。
「すぐに出してください。」
「はい。」
ミチルはぼ~っとしながら、自分を抱えた男の顔を見て思わず自分の頬をたたいた。
「痛っ!!」
「久しぶりにやっと会えたと思ったら、面白いリアクションですね。」
「か、柏木さん・・・。うそ・・・どうしてあんなとこに?」
「あなたを追ってきた・・・と言ったら?」
パチ、パチッ!!パチーーーーン!
「いたたたたぁ・・・。」
「な、何をやっているんです!冗談でもそんなことをしたら・・・ほら、きれいな顔が赤くなっているじゃないですか。
まだ酔いがまわりまくってるんですか?」
「よくも・・・よくも私の前にぬけぬけと出てこれたものだわ。」
「そうですね。私のことをどこまでご存じかは知りませんが、少なくとも私はあなたのお父さんの心を傷つけた人間です。
どんなに非難されても、嫌われても、もう一度だけは逢いたくて・・・。」
「お妃選びに私が選ばれていたのに、王子を脅したの?」
「まぁ・・・そうなりますね。
選んでほしくなかったですし・・・。
あなたを選ぶのは私でなければ、嫌でしたから。
その気持ちだけは本当です。
「嘘よ!柏木さんは私が帰国後、元お妃候補のマウルさんと・・・どこへ何をしにいってたのかしら?」
「それは、帰り道が偶然同じだったので・・・。」
「そんなのウソ!キョウの親指が内側に曲げられてるもの!」
「えっ!?な、何をいって・・・。」
「キョウはウソつくと、そうやって右手の親指を曲げるの。
自分でわかってなかった?」
「へぇ・・・そんなとこを見てたんですね。
しょうがない。彼女とずっといっしょにいてそこそこ楽しんでいましたよ。」
「降ろしてよ!私、帰る。」
「だめです。ここで降ろしたら襲われてしまいます。」
「あなたといっしょの空気吸ってるくらいなら、暴漢に襲われてる方がまだマシよ!」
「ひどい言われようだ・・・。家の前で捨ててあげます。
それで、さようならです。」
ミチルは実家の前で、転げ落ちるように車を降り、家に向かって走った。
「あははは、らしくない!!」
「わ、笑うな。いくら社長でも会社の金に手をつけるわけにはいかないし、今月は君の妹の新しい仕事のことで、けっこう飲み会にだのパーティーだの出席しなきゃいけなくて・・・。」
「おけらなんでしょ?」
「あ、ああ。うう~~カッコ悪い・・・俺。」
「でもこういうとこの方が話しやすいわ。
柏木さんのこと・・・悪い話をいっぱいするんでしょう?」
「まあな。他の男の話なんて本来したくもないけど、君があいつとくっつくなんてもっての他だからさ。」
「そんなに悪いことしてるの?」
「あれ、知らないのか?君のお父さんの会社だって取り上げた張本人じゃないか。」
「ウソっ、だってあれは大企業が・・・」
「だからぁ~~その大企業の代表があいつだよ。
君の家の周辺の土地を全部手に入れちまいやがったのさ。
そして、街ごと再開発してまた巨額の富を手に入れる。
まぁテラスティンには何か思い入れがあったようだから、何を考えて君の執事になったのかは不明だけどね。」
「そんな・・・お父さんから会社を取り上げた・・・張本人だなんて。
まさか、罪滅ぼしのつもりで私と・・・それでも許せない。
ううん、信じられないよ。
私のために命もかけてくれたのに・・・。
それに・・・あのとき。
どんなことになってもって・・・すごく悲しい目をして、もう会ってくれなかった。
利用したり、遊びだったら、もっと早くに捨てられもおかしくないはずだし・・・。」
「お優しいことだね。
じゃ、この情報はどうかな。
君が帰国した頃に、あいつはお妃候補だったマウルといっしょに行動をともにしている。
俺はマウルとミアンナがお妃になるんじゃないかって思ってたのにな。
君のあとがまがマウルだったみたいだな。」
「そ、そんなこと・・・。そんな。」
「もう忘れた方がいい。お父さんは新しく仕事してるんだろう?」
「う、うん。」
「嫌なことはさっさと忘れて、やりたいって言ってた服飾の勉強しなよ。
君が妹に服を提供してやって、妹がそれを売り出せばすごいと思うぜ。
いや、金儲けっていうだけじゃなくて、女の子たちから反響があるってことだよ。」
「夢みたいな話ね。
だけど・・・そろそろ学んでもいい頃だわ。」
「おお、がんばれ。で・・・次いつデートする?」
「はぁ?何なのあんた!
ちょっと見た目いいだけの泥棒が勝手なこと言うんじゃないわよ。」
「ぎくっ!あ、ああ、いつのまにそんなにお酒を・・・。
安酒だから悪酔いしてるしぃ。
まずいな・・・。暴れそうな勢いか。」
「あのねぇ・・・君!!!あっ・・・トイレ行ってくる。」
ミチルはトイレに行って、少し気分が楽になったところで、レジ横のカウンター席の横を通りすぎるときに、力強く腰に手をまわされて、口の中に梅干しをつっこまれた。
「うぐぐぐ。」
そのままミチルを抱えた男は支払いをすませて、ビル街の外へと歩きだした。
しばらく歩いて、その後すばやくミチルを抱き上げ近くに停まっていた車に飛び乗った。
「すぐに出してください。」
「はい。」
ミチルはぼ~っとしながら、自分を抱えた男の顔を見て思わず自分の頬をたたいた。
「痛っ!!」
「久しぶりにやっと会えたと思ったら、面白いリアクションですね。」
「か、柏木さん・・・。うそ・・・どうしてあんなとこに?」
「あなたを追ってきた・・・と言ったら?」
パチ、パチッ!!パチーーーーン!
「いたたたたぁ・・・。」
「な、何をやっているんです!冗談でもそんなことをしたら・・・ほら、きれいな顔が赤くなっているじゃないですか。
まだ酔いがまわりまくってるんですか?」
「よくも・・・よくも私の前にぬけぬけと出てこれたものだわ。」
「そうですね。私のことをどこまでご存じかは知りませんが、少なくとも私はあなたのお父さんの心を傷つけた人間です。
どんなに非難されても、嫌われても、もう一度だけは逢いたくて・・・。」
「お妃選びに私が選ばれていたのに、王子を脅したの?」
「まぁ・・・そうなりますね。
選んでほしくなかったですし・・・。
あなたを選ぶのは私でなければ、嫌でしたから。
その気持ちだけは本当です。
「嘘よ!柏木さんは私が帰国後、元お妃候補のマウルさんと・・・どこへ何をしにいってたのかしら?」
「それは、帰り道が偶然同じだったので・・・。」
「そんなのウソ!キョウの親指が内側に曲げられてるもの!」
「えっ!?な、何をいって・・・。」
「キョウはウソつくと、そうやって右手の親指を曲げるの。
自分でわかってなかった?」
「へぇ・・・そんなとこを見てたんですね。
しょうがない。彼女とずっといっしょにいてそこそこ楽しんでいましたよ。」
「降ろしてよ!私、帰る。」
「だめです。ここで降ろしたら襲われてしまいます。」
「あなたといっしょの空気吸ってるくらいなら、暴漢に襲われてる方がまだマシよ!」
「ひどい言われようだ・・・。家の前で捨ててあげます。
それで、さようならです。」
ミチルは実家の前で、転げ落ちるように車を降り、家に向かって走った。