夢への道は恋の花道?
結局ミチルが偽バイトモデルになるということが決まって、すぐにミナトはミチルに立ち位置やポーズを教え始めた。
「クランって失礼なこと言ったのね。
あなたが殺す標的にしかならないなんて・・・。」
「それは私のことを守りたかったからだもの。
私だってお姉ちゃんと同じように、やってやるって言ったのよ。
そしたらダメだって。死んでも意味がないって。
そのときは役立たずなのかなって思ったけど、響お兄ちゃんとの会話きいてて、私は守られたんだなって思ったわ。
響お兄ちゃんはお姉ちゃんをとめられなくて、さっき落ち込んでたみたいだけど・・・。」
「落ち込む?そんなので落ち込まれたら困るわ。
弟2人が亡くなって、国王様や親しい人たちも亡くなって大怪我させられて、落ちこんでなんかいられないわ。
私はそんな簡単に死んであげる気なんかさらさらありませんからね。」
「あははは、やっぱりうちのお姉ちゃんだ。私はテラスティンの人たちはぜんぜん知らないけど、お父さんの仕事やこの家やクランの出会いも運んできてくれたから感謝してる。私もできるかぎり協力しなくっちゃ。」
ミチルがモデルのレッスンしている間に響もまたなまった体を元通りにするためリハビリをしていた。
「はっ、たぁーーー!」
「よっと、まだまだぁ!」
「さすがに高貴な泥棒だな。こうまですばやいと私でも足がつる。」
「あんたも元SPだけのことはあるね。執事行と社長業でなまらせないでいてほしいぜ。」
「そうだな・・・頭の中まで私はなまっていた。
クラン、そろそろ本当のことを話してくれないかな。
ここまで調べ上げて協力してくれてるのは・・・お姉さんの意識がもどったんじゃないのかい?」
「あ、やっぱりあんたには隠し事はできないな。
俺は未熟な泥棒だ・・・。そう、姉さんから頼まれたんだ。
姉さんはイディアムと王妃に騙されて重傷を負ったんだ。」
「イディアムはともかく、どうして王妃が?」
「イディアムは自分が王妃の子じゃなくて外でできた子だと思っている。
それを引け目に思った王妃が王位につきやすくしたとね。
でも、実際はイディアムが実子で、ギリアムとジュイムが外でできた子だ。
しかも、ギリアムは国王さえ父ではない。
ジュイムが2才になったばかりのときに、母親は死んでしまい、王妃が呼び寄せた子どもたちだ。
王妃の優しさはあんたも知ってるだろ?」
「ああ、私もギリアム同様、親のない子どもだったが、何の差別もなく求める学問をのぞめばすべてさせてくれた。
警察に入るときも親代わりとなって後押ししてくれたから、簡単に組織の一員になれた。
でもどうして王妃様がだますなど?」
「姉は王宮にじいさんの杯を取り返しに行った。
そのとき、ばったり王妃と出会ってしまったんだ。
黙っていれば命まではとらない・・・って杯を取り返した。
そう、取り返したのは2つ。
でも本当は3つだった。
王妃は3つめは王が倒れた拍子に壊れてしまい、捨てたといったらしい。
それじゃ取り返しようがないと姉さんは帰るつもりだったんだが・・・帰り際にその3つめの杯がイディアムの部屋にあることに気付いたんだ。
だから3つめもいただこうとしたとき、もう遅かった。
男たちが発砲して・・・。」
「そうか・・・王妃は自分の子かわいさでってやつだな。」
「だが、王妃はもっと策士だった。
じつの子なのに、突き放してきびしく育て、王にふさわしい男にしようとしていたとはね。」
「悲しいことだな。それがこんな誤算を生んでしまったんだから。
で・・・その3つめがほしいのか?」
「ああ。3つそろえば・・・泥棒から足が洗える。
そして、おじいさんの遺産をすべて俺たち姉弟で相続できる。」
「ふ~~ん、だが、おまえはうれしそうに見えないが・・・。
もしかして・・・おまえも私と同じなのか?
この家の庶民風によって風邪をひいてしまったのだろ。」
「あんたうまいこと言うな。
ミチルやミナトとあいつらの両親を見ていると、それが庶民の普通なのかもしれないけど、俺にはとても新鮮で美しいものに見える。
それはあんたも同じことだよな。
じゃなかったら、俺はもうとっくにあんたに殺されていなくなってるだろう。」
「それはどうかな?訓練につきあってもらった礼じゃないが、近所の酒屋に行かないか?
親父さんが仕事帰りに寄ってるとこ。
ちょっと頼みがある・・・いや打ち合わせかな。やっておきたいんでな。」
「いいねぇ。なんせ超安上がりだ。お互い社長だっていうのにな。ははは。」
「クランって失礼なこと言ったのね。
あなたが殺す標的にしかならないなんて・・・。」
「それは私のことを守りたかったからだもの。
私だってお姉ちゃんと同じように、やってやるって言ったのよ。
そしたらダメだって。死んでも意味がないって。
そのときは役立たずなのかなって思ったけど、響お兄ちゃんとの会話きいてて、私は守られたんだなって思ったわ。
響お兄ちゃんはお姉ちゃんをとめられなくて、さっき落ち込んでたみたいだけど・・・。」
「落ち込む?そんなので落ち込まれたら困るわ。
弟2人が亡くなって、国王様や親しい人たちも亡くなって大怪我させられて、落ちこんでなんかいられないわ。
私はそんな簡単に死んであげる気なんかさらさらありませんからね。」
「あははは、やっぱりうちのお姉ちゃんだ。私はテラスティンの人たちはぜんぜん知らないけど、お父さんの仕事やこの家やクランの出会いも運んできてくれたから感謝してる。私もできるかぎり協力しなくっちゃ。」
ミチルがモデルのレッスンしている間に響もまたなまった体を元通りにするためリハビリをしていた。
「はっ、たぁーーー!」
「よっと、まだまだぁ!」
「さすがに高貴な泥棒だな。こうまですばやいと私でも足がつる。」
「あんたも元SPだけのことはあるね。執事行と社長業でなまらせないでいてほしいぜ。」
「そうだな・・・頭の中まで私はなまっていた。
クラン、そろそろ本当のことを話してくれないかな。
ここまで調べ上げて協力してくれてるのは・・・お姉さんの意識がもどったんじゃないのかい?」
「あ、やっぱりあんたには隠し事はできないな。
俺は未熟な泥棒だ・・・。そう、姉さんから頼まれたんだ。
姉さんはイディアムと王妃に騙されて重傷を負ったんだ。」
「イディアムはともかく、どうして王妃が?」
「イディアムは自分が王妃の子じゃなくて外でできた子だと思っている。
それを引け目に思った王妃が王位につきやすくしたとね。
でも、実際はイディアムが実子で、ギリアムとジュイムが外でできた子だ。
しかも、ギリアムは国王さえ父ではない。
ジュイムが2才になったばかりのときに、母親は死んでしまい、王妃が呼び寄せた子どもたちだ。
王妃の優しさはあんたも知ってるだろ?」
「ああ、私もギリアム同様、親のない子どもだったが、何の差別もなく求める学問をのぞめばすべてさせてくれた。
警察に入るときも親代わりとなって後押ししてくれたから、簡単に組織の一員になれた。
でもどうして王妃様がだますなど?」
「姉は王宮にじいさんの杯を取り返しに行った。
そのとき、ばったり王妃と出会ってしまったんだ。
黙っていれば命まではとらない・・・って杯を取り返した。
そう、取り返したのは2つ。
でも本当は3つだった。
王妃は3つめは王が倒れた拍子に壊れてしまい、捨てたといったらしい。
それじゃ取り返しようがないと姉さんは帰るつもりだったんだが・・・帰り際にその3つめの杯がイディアムの部屋にあることに気付いたんだ。
だから3つめもいただこうとしたとき、もう遅かった。
男たちが発砲して・・・。」
「そうか・・・王妃は自分の子かわいさでってやつだな。」
「だが、王妃はもっと策士だった。
じつの子なのに、突き放してきびしく育て、王にふさわしい男にしようとしていたとはね。」
「悲しいことだな。それがこんな誤算を生んでしまったんだから。
で・・・その3つめがほしいのか?」
「ああ。3つそろえば・・・泥棒から足が洗える。
そして、おじいさんの遺産をすべて俺たち姉弟で相続できる。」
「ふ~~ん、だが、おまえはうれしそうに見えないが・・・。
もしかして・・・おまえも私と同じなのか?
この家の庶民風によって風邪をひいてしまったのだろ。」
「あんたうまいこと言うな。
ミチルやミナトとあいつらの両親を見ていると、それが庶民の普通なのかもしれないけど、俺にはとても新鮮で美しいものに見える。
それはあんたも同じことだよな。
じゃなかったら、俺はもうとっくにあんたに殺されていなくなってるだろう。」
「それはどうかな?訓練につきあってもらった礼じゃないが、近所の酒屋に行かないか?
親父さんが仕事帰りに寄ってるとこ。
ちょっと頼みがある・・・いや打ち合わせかな。やっておきたいんでな。」
「いいねぇ。なんせ超安上がりだ。お互い社長だっていうのにな。ははは。」