夢への道は恋の花道?
マウグルの手伝いもあって新居へのミチルの引っ越しは予定より早く終わった。
響がお茶の準備をしている間に、マウグルはミチルの採寸にかかる。
「まさか、マウグルが響さんの知り合いだなんて知らなかったわ。
なんか2人してニコニコ話してるからびっくりしちゃった。」
「兄のことではすっかりお世話になって。
イディアム王子の私用の服を請け負ったことがあって、そのときに兄が採寸に出かけたんです。
それから・・・だんだん兄の行動がおかしくなってきて。
気がついたときには、店のお金がごっそりとなくなっていました。
すごい剣幕で怒鳴ってたときの兄の目がもう普通じゃなかったから、死んでもどってくるんじゃないかって両親もあきらめていたんです。
僕は自分もそんなとばっちりを食うんじゃないかとおびえていた。
そんなときに、暗い目をした捜査官に出会った。
弟2人を殺されたってきいて、余計に僕は怖くなって。
だから入学が遅れてしまった。
僕は臆病者だ。」
「しょうがないよ。戦うすべがない者は逃げるか隠れるしかなかったんだもん。
私だって逃げて隠れて・・・狙われて・・・響さんたちが助けてくれなかったらここにいないから。」
「そっか、君も逃げてたのか。
もう逃げなくていいし、お互いいい仕立てをしよう。」
「ええ、技術はずっとマウグルの方が上だけど、やる気なら負けませんから!」
「いつでもかかってきなさい!あはは。
はい、計測終了だよ。おつかれ~」
その後、響とミチルとマウグルは日常の話をしながら、ティータイムを終えマウグルは家へと帰っていった。
「響さんとマウグルが兄弟みたいに話してたからびっくりしちゃった。」
「彼の兄を止めるために、私は彼の足を撃ち抜いたんです。」
「えっ!?」
「薬の中毒症状がかなりきてしまっていて、幻覚が見えるとどんどん犯罪を重ねていってしまうからね。
逃げられるわけにはいかなかった。
少なくとも、テラスティンと日本以外の国にあの草花の毒をまき散らすわけにはいかなかったからね。」
「マウグルには恨まれてるかなって思ってたんですけど・・・。
ラウグが養生しているなら、ほんとによかった。」
(うふふ、今日の響さんとてもうれしそう。
マウグルと話ができてよかったね。)
ミチルは自分の荷物を片づけながら、明日からのことを考えていた。
(柏木ミチルなのよね。実際、まだ奥さんって実感がないなぁ。
だって・・・家事だって響さんの方が上手だし・・・。
夜だけ奥さんなんて・・・やだ!はずかしい。どうしよう。
昨日みたいなのがずっと続いたら死んじゃうかも・・・。
あっ、私は何を想像して。うう~~)
「ミチル、悪いですが、さすがに今日は疲れてしまったんで先に寝ますね。
学校があるんだし、ほどほどにしてミチルも早く寝るんですよ。
おやすみなさい~」
「えっ・・・先に寝るですって・・・。」
(そ、そんな。いっしょに住むようになったら・・・って考え疲れるくらい考えた私は・・・。はぁ・・・。
私なんか頭おかしいのかなぁ。もう寝よう。)
そんなちょっぴり悶々としたミチルだったが、学校での勉強は真剣にがんばっていた。
そして、ミチルの話題がきっかけで響のカフェへ行く学生もたくさん増え、それが日常になりつつあった。
そんなある日の昼休み。
「ミチル、放課後少しいいかな?」
マウグルが布地材料を店まで見に来てほしいとミチルを誘った。
「マウグルが思う素材でほんとにいいのよ。
デザイン画は見せてもらってたから、色だって候補の中からマウグルが選んでくれたら・・・。」
「そりゃ、いけないって。花嫁の希望はきちんと主張しないと、君らしさがみんなに伝わらないよ。」
「そういうものかしら。私って自分のことってうまく決められないんだもん。」
「だから響を夫に選んだの?」
「えっ!?そういうんじゃないけど・・・。」
響がお茶の準備をしている間に、マウグルはミチルの採寸にかかる。
「まさか、マウグルが響さんの知り合いだなんて知らなかったわ。
なんか2人してニコニコ話してるからびっくりしちゃった。」
「兄のことではすっかりお世話になって。
イディアム王子の私用の服を請け負ったことがあって、そのときに兄が採寸に出かけたんです。
それから・・・だんだん兄の行動がおかしくなってきて。
気がついたときには、店のお金がごっそりとなくなっていました。
すごい剣幕で怒鳴ってたときの兄の目がもう普通じゃなかったから、死んでもどってくるんじゃないかって両親もあきらめていたんです。
僕は自分もそんなとばっちりを食うんじゃないかとおびえていた。
そんなときに、暗い目をした捜査官に出会った。
弟2人を殺されたってきいて、余計に僕は怖くなって。
だから入学が遅れてしまった。
僕は臆病者だ。」
「しょうがないよ。戦うすべがない者は逃げるか隠れるしかなかったんだもん。
私だって逃げて隠れて・・・狙われて・・・響さんたちが助けてくれなかったらここにいないから。」
「そっか、君も逃げてたのか。
もう逃げなくていいし、お互いいい仕立てをしよう。」
「ええ、技術はずっとマウグルの方が上だけど、やる気なら負けませんから!」
「いつでもかかってきなさい!あはは。
はい、計測終了だよ。おつかれ~」
その後、響とミチルとマウグルは日常の話をしながら、ティータイムを終えマウグルは家へと帰っていった。
「響さんとマウグルが兄弟みたいに話してたからびっくりしちゃった。」
「彼の兄を止めるために、私は彼の足を撃ち抜いたんです。」
「えっ!?」
「薬の中毒症状がかなりきてしまっていて、幻覚が見えるとどんどん犯罪を重ねていってしまうからね。
逃げられるわけにはいかなかった。
少なくとも、テラスティンと日本以外の国にあの草花の毒をまき散らすわけにはいかなかったからね。」
「マウグルには恨まれてるかなって思ってたんですけど・・・。
ラウグが養生しているなら、ほんとによかった。」
(うふふ、今日の響さんとてもうれしそう。
マウグルと話ができてよかったね。)
ミチルは自分の荷物を片づけながら、明日からのことを考えていた。
(柏木ミチルなのよね。実際、まだ奥さんって実感がないなぁ。
だって・・・家事だって響さんの方が上手だし・・・。
夜だけ奥さんなんて・・・やだ!はずかしい。どうしよう。
昨日みたいなのがずっと続いたら死んじゃうかも・・・。
あっ、私は何を想像して。うう~~)
「ミチル、悪いですが、さすがに今日は疲れてしまったんで先に寝ますね。
学校があるんだし、ほどほどにしてミチルも早く寝るんですよ。
おやすみなさい~」
「えっ・・・先に寝るですって・・・。」
(そ、そんな。いっしょに住むようになったら・・・って考え疲れるくらい考えた私は・・・。はぁ・・・。
私なんか頭おかしいのかなぁ。もう寝よう。)
そんなちょっぴり悶々としたミチルだったが、学校での勉強は真剣にがんばっていた。
そして、ミチルの話題がきっかけで響のカフェへ行く学生もたくさん増え、それが日常になりつつあった。
そんなある日の昼休み。
「ミチル、放課後少しいいかな?」
マウグルが布地材料を店まで見に来てほしいとミチルを誘った。
「マウグルが思う素材でほんとにいいのよ。
デザイン画は見せてもらってたから、色だって候補の中からマウグルが選んでくれたら・・・。」
「そりゃ、いけないって。花嫁の希望はきちんと主張しないと、君らしさがみんなに伝わらないよ。」
「そういうものかしら。私って自分のことってうまく決められないんだもん。」
「だから響を夫に選んだの?」
「えっ!?そういうんじゃないけど・・・。」