初恋はイケメンヤンキー
「や、やっぱりあとでいいよ」



「なんで?」



「え、えと...せっかくのみんなとの時間を邪魔しちゃ悪いから...」



なんとか理由を考えて言えた。



だって、正直に怖いからって言ってもこのドアを開けると思うから。



たぶんこのドアを開けたら、ヤンキーたちがいっぱいいる。



話し声からして軽く20人はいると思うし。



そんな中に行くなんて絶対無理だ。



いままで水沢くんに何かを渡すときは水沢くん1人か、少人数のときだったから、ぎりぎりセーフだったけど...。



あたしがゴチャゴチャ考えていると、那智ちゃんがしびれをきらしたらしい。



「もうっ。開けるよ!」



「えっ、ちょっ、まっ...」



-ギィ



あ、開けちゃった。



光が差し込んできて、目が眩む。



「まぶしっ」



光で何も見えない。



...あ、ちょっと目が慣れてきたかも。



いったい何人いるんだろう?



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