初恋はイケメンヤンキー
「あ?」



ひっ!



やっぱ怖いよー!



返事をしたのは、水沢くんじゃなくて、あたしの前にいるギャルだった。



なんであなたが返事するのよ。



もー。



早くこれ渡して逃げたいのに。



「アンタ誰?」



「え、えとっ…あのぉ…」



ーグンッ



「うっ…」



いきなり胸ぐらを掴まれる。



いや!



やめて!



言いたいのに、声が出ない。



ただもがくことしかできない。



目頭が熱くなって、体が冷えていくのがわかった。



恐怖で震える。



「千夏!!」



那智ちゃん…。



「ちょっと!アンタ千夏に何してんのよ!」



すごく怒ってくれてる。



助けて、那智ちゃん。



怖いよ…。



ボロボロと涙が頬を伝っていく。



もぉ…なんなの。


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