初恋はイケメンヤンキー
「千夏「大丈夫か?!」



「えっ?!」



この声…。



水沢くん?



視界は今だに涙でぼやけたままだけど、きっとそう。



那智ちゃんの声をさえぎったのも水沢くんだ。



顔はよく見えないけど、すごく心配してくれてる。



ーグイッ



「ひゃあっ…え?」



何々?!



なんでなにも見えないの?!



「わりぃな。オレのチームのヤツが…」



え?



「お前はなんも悪くねぇのに…ごめんな」



ゴシゴシと乱暴に、だけど優しく涙を拭ってくれた。



なんで水沢くんが謝ってるの?



水沢くんは何も悪くないのに。



悪いのはあのギャルなのに。



「ちょっと!なんで圭斗が「てめーは黙れっつっただろ」



またあの低い声。



そしてまた、「痛いだろ?ホントごめんな」って優しい声になる。



すごい変わりようだ。



これがチームのトップ。



さっきのギャルは完全にビクビクしている。



水沢くんってホントはいい人なんだ。



あたしたちがただ怖がってるだけだったんだ。



クラスのみんなにも知って欲しいな。



そしたらきっと水沢くんは人気者だよ。


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