初恋はイケメンヤンキー
あ、涙止まってる。



水沢くんのおかげかな?



ホント、水沢くんってすごい。



今この時だけでいろんな水沢くんを知れたみたいでうれしいな。



「立てるか?」



「あっ、うん」



ーガクッ



「あれっ?」



なんで?



立てない。



「ちょっ、千夏大丈夫?!」



また、那智ちゃんに心配かけちゃった。



今日は心配かけっぱなしだな。



もうあんまり心配かけないようにしなきゃ。



「大丈夫、大丈夫。ちょっとバランス崩しただけだから」



「そう?ならいいけどぉ…」



なんて、那智ちゃんにはそう言ったけど…。



足が震えてて力が入らないんだよね。



どうやって誤魔化そう。



あんまり座ったままいても不思議に思われるし…。



う〜ん。



ーキーンコーンカーン



あ、予鈴だ。



「きゃー!千夏早くしないと授業遅れるよ?!」



「えっ、う、うん」



どーしよー?!



まだどうやって誤魔化そうか考えてないのにー!



「えっと…誰だっけ」



え、水沢くん?



「那智。ちょっと、クラスメイトの名前くらい覚えなさいよ」



あ、那智ちゃん怒ってる。



でも水沢くんは「わりーわりー」て言ってるけど、たぶん反省してない。



水沢くんらしいな。
< 19 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop