初恋はイケメンヤンキー
「あのさ、オレ日野保健室連れてくわ」



…え?!



ちょ、ちょっとそれは気まずくはないですか?



「あ、そっか。ほっぺた赤くなってるしね」



那智ちゃんも納得しないでー!



「だ、大丈夫だよ」



「だーめ」



「大丈夫じゃないだろ」



うぅ。



那智ちゃんと水沢くん2人で否定する。



あたしに拒否権なし?!



「もちろん、あたしもついてくから」



「は?何言ってんだよ。お前は授業」



え、えっと…。



水沢くんこそ何を言ってるの?



でも、立てないのバレちゃうよね。



それに授業も遅れるし…。



「那智ちゃん。あたしは大丈夫だから、授業行って?」



「でも!」



「それにちょっと落ち着く時間が欲しくて」



あたしがそう言うと、那智ちゃんは納得してくれたらしい。



心配しすぎだよ。



でもありがとう。



那智ちゃん。



「落ち着いたらちゃんとメールしてね!」



「うん!ありがとう」



ーバタンッ



もう授業が始まる頃で、那智ちゃんはものすごい勢いでドアを閉めながら走っていった。



ははっ…。



那智ちゃん、間に合うのかな…?



「さて、保健室行くか」



「うん」



そう言って、水沢くんは立ち上がった。



そんな水沢くんの顔を見上げる。



ちょうど太陽の位置に立ってる水沢くんの顔は、キラキラ眩しくて少しドキッとした。
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